隠れた魅力は目の前に!?

日本銀行高松支店長 小牧義弘

column

2020.04.02

高松に着任して間もない頃、お会いした方々に香川初心者にお勧めの場所を聞くようにしていました。「まずはうどん屋さん。名所なら栗林公園、屋島、こんぴらさん……」と大抵その辺で止まってしまいます。確かに、数多あるうどん屋さんは個性があって美味しい上に楽しいですし、栗林公園を始めとする名所は(正直、事前に思っていた以上に)見応え十分でした。これらは東京から来る友人達に必ずリクエストされますし、ガイドブックでも大きく取り上げられています。

しかし、香川の魅力はそれに止まらないはずです。地元の方々にとって当たり前に思うものが、他所者にとってはこの上なく魅力的だったりします。人を惹きつけるものは、実は目の前にあったりするのです。

例えば、「僕は島巡りが好きなのですが、お勧めは?」と聞くと、「瀬戸芸があれば行くけど、普段わざわざ島に行くことはないなぁ。小さい頃は女木島に海水浴に行ったけどね。昔からずっとそこにあるし、珍しくもないでしょ」といった反応がよく返ってきます。いや違うんです。穏やかな海に島々が点在し、一度海に出れば、遠くに連なる山々まで島影に見えてくるようなこんな景色、なかなか見られないのです。また、目の前にこんなに多くの個性豊かな島がある都市は多くありません。先日は東京の友人達を男木島に連れて行きましたが、まずは「めおん号」からの風景に見とれ、斜面に貼り付くように立っている家々や石垣に感動し、島からの景色をおかずにご飯を食べ、大満足して帰って行きました。友人達は私が勧めなければ、恐らく男木島の魅力を知ることはなかったと思います。勿体ない!

近年、父母ケ浜や天空の鳥居といった観光スポットが注目を浴びていますが、これらの海岸や神社は昔から存在しており、急に出来たわけではありません。その魅力をうまく引き出し、新たなツールも使って発信したことで、人を惹きつけるようになった訳です。香川にはまだまだ様々な魅力が隠れているはずです。新型コロナウイルス感染症で観光業が厳しい今だからこそ、新たな魅力を見出し、以前にも増して内外の人々が訪れたいと思う香川を発信していきたいと思います。

小牧 義弘|こまき よしひろ

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小牧 義弘|こまき よしひろ

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