今年もかがわ愛

日本銀行高松支店長 小牧 義弘

column

2021.01.07

皆さま本年もどうぞ宜しくお願い致します。今年も暫くは新型コロナとの付き合いは避けられそうにありません。仮に新型コロナを克服しても、この間に露わになった構造問題からは逃げられないでしょうし、DX、地球温暖化対策、テレワークを含めた働き方の変化といったグローバルな動きはさらに加速していくでしょう。

新たな経営環境の中で、企業としてこうした動きをフォローしていくことは重要ですが、他の地域と競争していく中では、グローバルな価値観だけでなく、香川ならではの良さを改めて見つめ直すことが差別化になり、強みになり得るのではないかと思います。香川に来て1年半になりますが、歴史の奥深さや文化・民俗の多様さ、海・山・島の自然や食の豊かさ、温暖な気候と災害の少なさ、様々な技術や人材を有する企業の集積など、知れば知るほど魅力的な土地であることが分かります。こうした強みを活かしていかない手はありません。

他方で、大事なものを守っていくには地域の関心と愛情、そして努力が必要であることも実感しました。美しい海岸に散らばるプラスチックごみ、展望台からの景色を遮る草や電線、伐採されずに荒れていく山林等々。また、近くのうどん店には行列が出来ていても、誰もが名を知る人の史跡を殆どの人が無関心で通り過ぎていきます。地元の人達が愛情を注ぎこんだ上で情報発信していかなければ、いくら良いものでも他地域の人を惹きつけることはできないのだと思います。そして、こうした努力を継続していくことの大切さも感じます。今でこそ有名な父母ヶ浜も地元の方々が長年大事に守ってきたからこそ、全国的な観光地になり得たということです。まさに継続は力なりです。

先日は初めて女木島に泊まりました。朝の清々しい空気の中、波の音を聞きながら屋島から昇って来る朝日を眺められるのは、泊まった者だけの特権です。高松から僅か20分の船旅で出来る島での非日常体験は、身も心もリフレッシュさせてくれるとともに、改めて香川での生活の豊かさを教えてくれました。今年もかがわ愛をさらに深め、この東の空に昇った朝日のように明るい1年にしていきたいものです。

小牧 義弘|こまき よしひろ

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小牧 義弘|こまき よしひろ

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