早明浦ダムから香川県に水が届くまで

ビジネス香川編集室

Special

2020.08.20

私たちの暮らしや経済活動に欠かせない大切な水。香川県にはその多くが、吉野川から様々な人の協力やたゆまぬ努力により届けられています。今回は、水の供給で大事な役割を果たす施設など、現場で汗を流す皆さんにお話を伺いました。香川まで大切な「水」を届ける仕事にかける思いとはー。

24時間体制できれいな水道水をお届けしています

府中ダムに隣接する広域送水管理センター

府中ダムに隣接する広域送水管理センター

香川県広域水道企業団 広域送水管理センター
所長・杉峯正夫さん

香川県広域水道企業団は本部のほかに、東讃・小豆・高松・中讃・西讃の各ブロック統括センターと広域送水管理センターで事業を行っています。広域送水管理センターは、香川用水を水源とする浄水場の管理運営や工業用水道事業などを担い、24時間365日、水質・水量・ダムの水位を管理しています。どの浄水場でも同様に、職員が交替で24時間管理業務にあたり、水の安全・安定供給に尽力しています。

災害や停電などの緊急事態でも水の供給を止めるわけにはいきません。水は家庭生活だけでなく、産業にも欠かせないものであり、県経済を支えています。私自身、これまでも水の大切さを理解しているつもりではいましたが、センターに着任後、水を安定供給することの大切さと難しさをより感じました。みなさんが口にしたり肌に触れたりする水を処理するということに、責任の重さも感じています。

吉野川の大切な水を四国の皆さまにつなぐ「水資源機構」

早明浦ダム管理所
所長代理 今 英樹さん

早明浦ダムでは、四国各地域や発電のために使われる水を確保し、大雨がもたらす洪水をダムで受け止め、下流の洪水被害を軽減する役割を果たせるよう、日々適切にダムの操作を行い、各種設備の点検や整備を実施しています。いつまでも貯水池に美しく大切な水を湛えられるよう、地元水源地域の方々と森林保全などの活動も展開。早明浦ダムと水源地域をぜひ訪ねてみてください。

池田総合管理所
第二管理課 柴田 竜馬さん

池田ダムは、香川県や徳島県に農業用水や水道用水、工業用水を供給するとともに、洪水被害の軽減や河川環境を維持するために必要な水量を確保する役割を担っています。日々気を抜くことができない重要な役割を担っていることへの使命感を抱きつつ、無事にコントロールできた達成感を積み重ねられるよう頑張っています。

香川用水管理所
施設管理グループ 永易 風花さん

香川用水は暮らしや社会経済活動を支える「さぬきの大動脈」です。香川用水土地改良区が管理する農業用水専用水路を含め総延長約100kmにおよび、県内各地区に配水できるよう水路各所に水位を調節する堰や分水工が設置されています。配水の調整や取水工の除塵など昼夜問わず現地で作業。安定的に用水をお届けするために整備された香川用水で働いていることに誇りを感じつつ、業務に取り組んでいます。

技術生かし水処理に貢献

現在工事中の椛川ダム(高松市

現在工事中の椛川ダム(高松市

株式会社フソウ
建設工事部 工事主任
香川 慎一郎さん

フソウは1946年の創業以来、国内の「水」に関するあらゆる処理施設を手掛けてきました。豊富な経験と実績を生かし、設計・施工・運用・メンテンナンスを一貫して行える会社です。私たちの技術や製品は、県内の至る所で活躍しています。三豊市にある「東西分水工」のゲート設置もそのうちの一つです。

私は水処理施設工事の現場代理人や監理技術者を務めており、現在は椛川ダムの現場を担当しています。水処理施設は一つとして同じものがなく、その地域や施設の役割に合った施工が必要です。難しいからこそ、完成したときには大きな喜びがあります。これからも環境に配慮した建設施工、革新的な水処理技術の研究開発、耐震性に優れた鋼管製造の加工技術などを通して、安全・安心な水利用が約束され、人々の暮らしがより豊かで快適になるよう努力していきたいと思います。

地域の子供たちに親しまれる香川用水を目指して

香川用水土地改良区
総務課 久保陽未さん

香川用水土地改良区は、県内各地区で農作物を生産される農家の方々が必要とする水を届けるため、水資源機構香川用水管理所と連携しながら、農業用水路の維持管理や配水操作を行っています。

私たちは、地域の小学生に水路の役割や大切さを理解してもらうため、毎年出前授業を行っています。授業では普段は入ることができない水路内に入って、水路の幅や深さを実感してもらい、また、トンネル内を歩いたり、清掃などの体験を通して、水がどこから来て、私たちの暮らしが支えられているのか、大切な水や水路のことについてしっかり学んでもらっています。
配水業務(左)、地域の小学生と水路内を清掃

配水業務(左)、地域の小学生と水路内を清掃

蛇口をひねれば水が出る、そんな生活はところが変われば「当たり前」のことではありません。先人たちや水源地域の皆さん、そして水を届けるために働く人々の尽力で、私たちは水のある毎日を過ごせているのです。8月は1年で水の使用量が最も増える月。暮らしの様々な場面で使われている水に思いをはせ、大切さをあらためて考えてみましょう。

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