
また、高松市の姉妹都市・友好都市である彦根市、水戸市、帯広市などで行われる物産展でも、南国情緒があり、食べやすい手軽さで、ミカンはとても人気だと聞きます。
さて、生産地である地元でどのように消費されているかについては、高松市中央卸売市場年報を見ると歴然です。市場で取り扱われる果物のうち、多くをミカンが占めていることが分かります(表の構成比を参照)。その中でも、香川県産の占める割合がとても高くなっており、香川県民は、地元のミカンをたくさん食べていることが、データから浮き彫りになってきます。
香川県のミカンの特徴は、人によってイチオシの産地があることです。香川県に住んでいると、「是竹ミカン(高松市鬼無町是竹)」「王越ミカン(坂出市王越町)」「○曽(マルソ)ミカン(三豊市仁尾町曽保地区)」「〇龍(マルリュウ)のはっさく(丸亀市綾歌町大原地区)」などの名前を一度は耳にしたことがあると思います。産地ごとの日照や温度などの条件の違いや、その土地に適した栽培技術により、各産地が切磋琢磨することで、少量でも質で勝負する独特のミカンの産地が作り上げられてきたのです。
先月、「讃岐をイメージする食べ物はオリーブ」と紹介しましたが、ミカンもまだまだポテンシャルを秘めているのではないでしょうか。

野菜ソムリエ 上級プロ 末原 俊幸さん
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