
スマートシティは地域の課題に対し、ICTといった最新技術を使ってデータ収集や分析などを行い、より便利で快適に過ごせる街を目指すこと。高松市では防災、観光、福祉、交通分野での取り組みが進められている。
各分野が違うシステムを使い、バラバラにデータ収集・活用したのでは意味がない。「データを横断的に使え、新たな分野が追加されても対応できる共通のプラットフォーム構築にNECがかかわりました」
例えば防災分野では、災害が発生する可能性の高い沿岸部や小規模河川、冠水しやすい道路のアンダーパスにセンサーを設置、リアルタイムに地図上で監視できるシステムを構築した。「これまでは市の職員がパトロール等で監視していましたが、地図上に見える化することで、迅速な状況把握、避難誘導や災害対策の早期化を実現し、地域の皆さんの安心・安全につながっています」
「ありがとう」を積み重ねる

河川の水位センサーを確認
異動を機に、30歳で営業職に転向。最初はものを作る喜びがなく戸惑ったが、ある企業のクレジット管理システムを導入する提案が採用された時、「お客様の責任者と私は、自らの進退をかけて成功を誓った」。プロジェクトが進むにつれさまざまな課題が出てくる。弱音を吐く自社のSEと時にぶつかりながら、限られたコストとスケジュールの中で解決策を見出していく。何とかシステム稼働にこぎつけたときの達成感は大きかった。
「SEからマネジメント職へ、視点は変わったかもしれませんが、お客様に満足してもらうという根本は同じです」。日常にはさまざまな課題があり、それを解決できれば感謝が生まれる。「小さな課題を一つひとつ解決し、お客様の“ありがとう”を積み重ねていきたい」
思いをもつ人を増やす

システムについて社内で議論
街づくりには技術も必要だが、そこに住む人たちの意識も大切だ。「地域にかかわろうという“思い”をもつ人を増やす取り組みも、地道に続けたいですね」
石川恭子
船田晃 | ふなだ あきら
- 略歴
- 1969年 愛媛県宇和島市生まれ
1987年 宇和島東高校 卒業
1992年 愛媛大学理学部数学科 卒業
日本電気株式会社 入社(SE)
2000年 松山支店(営業)
2007年 松山支店マネージャー
2012年 四国支社産業営業部長
2016年 産業ソリューション事業部シニアマネージャー
2017年 四国支社長代理
2019年 四国支社長
おすすめ記事
-
2024.03.21
IoTを活かした新たな方法で
水産資源の自給率アップに貢献したいFGROW JAPAN
-
2023.08.03
大規模言語モデルは新たな知能か ChatGPTが変えた世界
著:岡野原 大輔/岩波書店
-
2023.05.04
甘えをいましめる「至誠通天」
アリスプラン 代表取締役 中村 真徳さん
-
2023.04.20
スタートアップを支える予約・顧客一元管理システム
LOYTEM(ロイテム)/アリスプラン
-
2022.07.21
IT化・DX化で運送業界の人手不足解消を目指す
朝日通商
-
2022.02.17
そうだ、教科書を読んでみよう!「情報Ⅰ」
香川県教育委員会 教育長 工代 祐司
-
2021.09.08
離島向けドローンの長期定期就航を開始
かもめや
-
2021.06.17
「お客様の視点」を大切にシステム開発
三光システム 代表取締役社長 白石光一さん
-
2021.05.31
トキワ街にインキュベーション施設
濱川学院、Dreamly
-
2021.04.01
スマホ脳
著:アンデシュ・ハンセン/訳:久山葉子/新潮社
-
2021.01.30
ネットで市政への意見を募集
高松市