
「朝起きてまずやるのは、スマホに手を伸ばすこと。一日の最後にやるのはスマホをベッド脇のテーブルに置くこと」「スマホがないと、その人の世界は崩壊する」「時間の無駄だとわかっていても、私たちはスマホを手放すことができない。テレビを見ていても、手が勝手にスマホに向かう。本を読むのは好きだったのに集中するのが難しくなった」など例をあげたらきりがありません。
脳には常に新しい環境を欲しがるドーパミンという物質があり、パソコンやスマホのページをめくるたびに脳は刺激を受けてドーパミンが放出されるといいます。私たちがクリックするのが大好きなのはそのせいです。SNSを開発する多くの企業は行動科学や脳科学の専門家を雇って、そのアプリが効果的に脳の報酬システムを刺激し、そして高い依存性をもたらす研究をしていると著者はいいます。これがここ10年程で人類に大激変をもたらしました。そんな中で生きていくこれからの人達にこそ、ひょっとしたら新人類という言葉が適切なのかも知れません。
山下 郁夫
宮脇書店 総本店店長 山下 郁夫さん
- 坂出市出身。約40年書籍の販売に携わってきた、
宮脇書店グループの中で誰よりも本を知るカリスマ店長が
珠玉の一冊をご紹介します。 - 写真
宮脇書店 総本店店長 山下 郁夫さん
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