一つ目が、約400年前に奈良県から伝わったとされる、小豆島の「そうめん」文化です。小豆島には水田が少ないため、島の畑地を利用して小麦が栽培されてきました。そうめんづくりは、この小麦を素材として活用し、農家の副業として取り入れられ広がったと言われます。小豆島には、現在でも200軒もの製麺所があります。
そしてもう一つが、山間部に残るソバ文化です。山間部においても、水田が少ないため、畑地を利用して様々な穀物が栽培されていました。中でも、平野部に比べて気温が低く、日照時間が少ないため、短期間で収穫ができるソバが重宝されました。そのため、「ソバ米雑炊」「ソバ粉の焼餅」など、ソバ食文化が多く伝わっています。今では少なくなりましたが、高松市内から徳島に向かって車を走らせ、塩江町に入ると、「ソバ屋」の看板が多く見かけられます。
小豆島のそうめん、山間部のソバと、いずれも、香川県独特の雨が少なく、農地が狭いという特徴から、米を節約し、その他の食材を活かすことで生まれ、現在も育まれている文化であるという共通点を持ちます。
野菜ソムリエ 上級プロ 末原 俊幸さん
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