仕事に楽しみを見つける

商工組合中央金庫高松支店 支店長 五味正毅さん

Interview

2021.01.21

大学は理工学部。金融業界に進む同級生はあまりいなかったが、「研究室でいるより人と話をする方が好きだった」

大学時代のアルバイトでの経験も大きかったという。塾の講師、ガソリンスタンド、イベント運営……。食事に連れて行ってもらい、社会人と話をする機会も多かった。学生とは全く違うものの見方が新鮮だった。「特に経営者は、10年後、20年後の会社はこうありたい、と考えていて刺激を受けました。今の仕事も、経営者に話を聞き、会社の将来についてともに考える。あの時の経験が、現在へとつながっているかもしれません」

関西に赴任したとき、1年ほど通ってようやく取引につながった顧客がいた。やがて会社は少しずつ支店も増え、現在では商工中金の支店を支える企業の一つに成長した。「その会社の社長は、私が異動してからも後任の担当者に『あの時助けてもらった』と話をしてくださり、支店長になった際は連絡をいただいた。そんな仕事ができたことは本当にありがたい」

当時、すでに取引していた別の銀行があったにもかかわらず、取引できたのは「スピード」だと振り返る。「何度も訪問して話を聞き、一番いいタイミングで提案できた。後輩にも、丁寧にスピードをもってお客様に対応する大切さを伝えています」

「なぜ」を繰り返す

打ち合わせの様子

打ち合わせの様子

高松に赴任したのは、コロナ禍が深刻になっていた2020年3月末。赴任直後から土日も相談を受け付けた。「飲食店からの相談が圧倒的に増えたと感じました。商工中金は中小企業を支援することが使命。Web相談なども新たに始め、引き続き地元の企業を支えていきたい」

以前は、融資することが支援のメインだったが、時代の変化とともに販路開拓や新規事業、事業承継などの相談にも力を入れるようになった。より深く顧客の事業について理解し、提案していく。「どれだけお客様の話を聞き取れているかで、提案に差が出る。言われたことをそのまま受け取るのではなく、なぜそう言っているのか、そうすることでどう変わるのか。“なぜ”を繰り返すことが大事なんです」

そのためにはさまざまなことに興味をもち、趣味でも仕事でも“あのお客様のところに行けばこういう話ができる”というふうに、楽しみを見つけること。「自分が楽しくないと、いい仕事はできないと思います」

香川をPRしたい

八十八カ所の一つ、雲辺寺で

八十八カ所の一つ、雲辺寺で

若いときは、自分仕様にカスタマイズするほど車好きで、大学時代は年間約3万キロ走っていた。高松に赴任する際には、残念ながら愛車をもってきていないこととコロナ禍もあり、まだ県内各所をまわれていない。それでも、栗林公園の美しさに感動してすでに3回訪れ、年間パスポートを買おうと考えている。寺社仏閣も好きで、八十八カ所も香川から回り始めた。

「赴任する前は香川=うどんしかイメージできませんでしたが、実際には野菜もいろんな種類が食べられる、オリーブ牛もハマチもおいしい。全国区になれるブランドがあるのに、まだまだ伝わっていないのがもったいない」。もう少し香川のことを勉強し、コロナ禍が落ち着いたら、香川を全国に発信するお手伝いがしたいと考えている。

石川恭子

五味 正毅 | ごみ まさたか

略歴
1969年 横浜市生まれ
1988年 横浜市立南高校 卒業
1993年 明治大学理工学部 卒業
    商工組合中央金庫 入庫
2011年 佐世保支店 次長
2014年 渋谷支店 次長
2016年 経営サポート部審査役
2018年 融資第一部審査役
2020年 高松支店支店長

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