議論しながら最適な答えを探す

西日本高速道路株式会社(NEXCO西日本) 執行役員四国支社長 松本浩志さん

Interview

2021.11.18

「徳島南部自動車道」吉野川大橋(仮称)工事現場

「徳島南部自動車道」吉野川大橋(仮称)工事現場

今年6月、四国支社長に就任。これまで東京や大阪周辺での勤務が多く「四国での仕事と暮らしが楽しみでした。香川に来てからクロスバイクを購入しました。気持ちよく走れそうです」と話す。休日はテニスやゴルフで体を動かして過ごす。中学のころは軟式テニスを、社会人になってからは同僚と硬式テニスを楽しんできた。高松ではテニススクールにも通う。

用地、総務、秘書・・・様々な経験でゼネラリストに

20代のころ、苗場などにスキーに出掛けた

20代のころ、苗場などにスキーに出掛けた

大学は政治経済学部で、同級生は金融関係を志望する人が多かった。松本さんは「社会への貢献が、形に残ったり目に見えたりして実感できる仕事がしたい」と思い、日本道路公団へ。

入社当時はまだまだ高速道路を作っていく時代。最初は東京の工事事務所で、用地買収を担当した。地権者を1軒1軒訪ねたが、交渉はうまくいくことばかりではなかった。先輩から「感情が表情に出やすいから気を付けなさい」と言われたことも。「自分たちの仕事は、過去の先輩たちの仕事の総括なんだ」と教えられた。計画があっても土地がなければ、高速道路の建設はできない。交渉の進捗は工程に大きく影響する。「用地担当者は工事に携わることはありませんが、開通式に参加して実際に高速道路を見ると、感慨深いものがありました」と振り返る。

日本道路公団の民営化後、3代目社長・石塚由成さんの秘書を務めたこともある。秘書はスケジュール管理だけでなく、社長と現場をつなぐ役割だと感じた。2014年からは、京都高速道路事務所の所長に。子どもの頃から親しんだ名神高速を、現場の指揮者として管理した。もちろんやりがいも感じたが「所長の後ろには誰もいません。自分が現場の砦なんだと覚悟を持って臨みました」

前任は、本社の事業開発部長。サービスエリアやパーキングエリア事業が主な仕事だが、「NEXCOの仕事はハード整備だけにとどまりません。ハードを整備したうえで、それが地域の課題解決に役立つことだと思っています」

地域の元気にも貢献

高松のテニススクールで

高松のテニススクールで

リーダーは「after you,follow me」の気持ちでいることが大切だと考えている。平時は後ろから見守り、有事の際は先頭に立つ。部下からの「ほう・れん・そう(報告・連絡・相談)」に対し、「お・ひ・た・し(怒らない・否定しない・助ける・指示する)」で応えることも心掛ける。「議論しながらその時の最適な回答を見つけたい。異論・反論は大歓迎。かつて先輩に言われた『感情を顔に出すな』を忘れずに、何でも話しやすい上司でいたいですね」

四国支社長としては、まず高速道路をいかに安全に快適に利用してもらうかを考える。加えて、地域活性化にも貢献したいという。「四国にも新型コロナで影響を受けた観光地がたくさんあります。観光振興というとおこがましいですが、力になれたら。少子高齢化が進む四国で、いかに地域を盛り上げるかも考えたい」。11月から、伊予市と連携して同市への誘客と高速道路の活用を図る「伊予市を楽しもう!Go To IYOキャンペーン」が始まっている。

鎌田 佳子

松本 浩志|まつもと ひろし

略歴
1963年 京都市生まれ
1987年 早稲田大学政治経済学部 卒業
日本道路公団 入社
1998年 大阪建設局 調達用地部 用地第一課 課長代理
1999年 東京第三管理局 総務部 総務課 課長代理
2002年 本社 広報・サ-ビス室 副主幹
2005年 西日本会社移行本部 広報室 サブリーダー
関西支社 広報グループ グループリーダー
西日本高速道路株式会社 本社 管理事業本部 管理事業部
     料金企画グループ グループリーダー
2010年 本社 経営企画本部 経営企画部 経営企画室 室長
2012年 本社 総務部 秘書課 課長
2014年 関西支社 京都高速道路事務所 所長
2016年 関西支社 総務企画部 部長
2018年 本社 事業開発本部 事業開発部長
2021年 執行役員 四国支社長

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