「誰かのために」が原動力

祖父が建設業を営み、子どものころから建築や土木は身近だった。掃除など祖父の仕事の手伝いもよくした。小学6年のときに瀬戸大橋が完成し、大きなものをつくってみたいと思うように。大学で土木工学を学び、卒業後は香川県内の総合建設コンサルタントに就職した。

企画部で業務の効率化に従事。パソコンでのシステムづくりを担当したが「パソコンに苦手意識がありITスキルはゼロ。入社後の半年間、人生で一番というくらい勉強しました」。やがて、システム開発や基幹システム導入を手掛け、PC操作を社内外で人に教えられるまでになった。

製造業に転職し、2013年にはITと経営に精通する「ITコーディネータ」の資格を取得。資材調達や社内のIT化に携わった。そして建設・経営コンサルタントとして独立した。

soraniでは、建設業者が行う橋梁や道路などインフラの点検、点検結果の電子データ化、報告書作成を支援している。国内のインフラ老朽化に伴い、点検の需要は多い。現場での点検や測量はもちろん、水本さんはドローンやAIなど新しい技術を積極的に学び、取り入れていく。「お客様と一緒に成長していきたい」

起業支援などの経営コンサルタントとしても活躍。これまで働いてきた中で、周囲の人に助けられた分、恩返しがしたいという思いがある。企業のIT活用・導入支援や、開店支援のほか、採用に力を入れたい企業にSNS活用をアドバイスする。GIS（地理情報システム） を使ったマーケティングも手掛けている。

soraniの主なスタッフは、30～40歳代の女性。年1回、夏に家族も一緒に参加する社内イベントを開催し、交流を図る。自分は子どもと接する時間が少なかったので、スタッフにはきちんと家族と過ごす時間が取れるようにしたいという。「建設・ITは堅いイメージの業種ですが、スタッフが何でも話せる親しみやすい職場でありたい」