災害時、地域と従業員守れる会社に

横田建設 代表取締役社長 横田 昌宏さん

Interview

2018.09.06

2011年の東日本大震災や16年の熊本地震、今夏の豪雨など災害は私たちの暮らしに大きな影響を与える。家庭や地域、職場でも備えが必要だ。中でも企業は、重要な業務の継続や復旧が速やかにできるよう事業継続計画(BCP)の策定が望まれている。

道路や河川の土木工事を手掛ける横田建設(丸亀市)は、今年3月、四国建設業BCP等審査会から災害時の事業継続への取り組みが優秀であると認定された。東日本大震災以降、建設業界でBCP策定の機運が高まり、同社は8年ほど前から着手。自治体のハザードマップの更新に合わせてBCPも見直してきた。
四国建設業BCP等審査会の認定書

四国建設業BCP等審査会の認定書

代表取締役社長の横田昌宏さん(37)は、災害時に建設業が地域の力になれると信じている。「地域で役に立てる会社であるのはもちろん、従業員の生活も守れる会社でありたい」と話す。緊急時の連絡体制や従業員の安否確認方法を明確にしているほか「もう一段階上の備え」を意識し、訓練や備蓄をおこなっている。


災害を想定した訓練は年に3~4回実施。発生時に責任者である横田さんが不在だったら・・・、夜中に災害が起きたら・・・など具体的な場面を設定する。実際、大雨や洪水などの警報が発令された時には5~6人が社内で待機し、いつでも対応できるようにしている。7月豪雨の時も自治体からの要請に応えて、大型土のうを100個作り、堤防が崩れた金倉川の現場へ運んだ。

備蓄も食料や水、ガスなども少しずつ増やしている。「災害時に作業しなければならない時、力を発揮するために食料って大事だなと思いますね」

横田さんは祖父、父に続く3代目社長。昨年8月の就任から1年が過ぎた。子どもの頃から祖父には「跡継ぎや」と言われてきたが、大学は土木関係でなく経済学部に進学。父と大喧嘩した。今から思えばそれも父の優しさだった。「親父も経済学部で、家業に入った時に相当苦労したようで・・・」

卒業間近になって「継ぐことに抵抗はありましたが、何が嫌か分からないままやらないのも違う。まず挑戦してみようと思いました」。大学卒業後、大阪の専門学校で2年間土木を学び、横田建設に入社。建設業に携わって感じたのは、やりがいだった。
土器川の堤防補強工事では、ICT建設機械を導入

土器川の堤防補強工事では、ICT建設機械を導入

「道路をつくったり河川を改修したり。僕たちがやっているのは、日本の地図を変えるような仕事。そして50年先にも残るものです」。香川県内を車で走れば、工事に携わったかつての現場にたくさん遭遇する。一つ一つが特別な場所だ。自分が感じたやりがいや喜びを、若者たちにも伝えたいと考えている。

「暮らしの安全と安心を守るために、建設業はなくなってはいけないもの。しかし就職希望者は少なく、大きな課題です」。休日の増加や、情報通信技術(ICT)を活用した建設機械の導入による工事の効率化など、働きやすい環境づくりを進めているところだ。

鎌田佳子

横田 昌宏 | よこた まさひろ

1981年 丸亀市生まれ
1999年 大手前丸亀高校 卒業
2003年 山口大学経済学部 卒業
2005年 横田建設株式会社 入社

横田建設株式会社

住所
香川県丸亀市城東町1-4-1
住所
丸亀市城東町1-4-1
TEL:0877-22-7368
従業員数
30人
事業内容
土木一式工事
地図
URL
http://yokota-cc.com/
確認日
2018.09.06

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