「年寄りの戯言」と「今の若いもんは」

四国なんでも88箇所巡礼推進協議会会長 佐藤 哲也

column

2022.06.02

テレビも新聞もネットニュースも、今までならまずは新型コロナありきであったのが、いつの間にか一面はウクライナに入れ替わってしまいました。今後は石油高や円安になるのでしょうか?

およそ人間は「慣れ」と「飽き」の生き物ですので、根本的にはその繰り返しであります。ただ人によって時代によって、そのサイクルの回転の速さが異なっております。若い頃はもっとめまぐるしく動いていた世界が、最近はゆっくりとしていく感があるのは、年を取って変化自体に慣れてしまったということかも知れません。でもある意味、歴史観の見地で見ますと、不確実な噂や風評で数年ごとにあっちゃこっちゃに引き回されている世相よりも、やや落ち着いて流れを見ることが可能です。

四国をはじめとする田舎は変化に鈍感と言われますが、コロナ禍のような比較的大きい変化でも、各県の県庁所在地はまだしも、「山の方」や「端の方」に行くにつれ、情報への反応は鈍くなります。メディアの意見よりも役場や長老の指示によってのみ変化は動かされますが、それでも都会では別世界のようにのんびりしております。しかし結果的に「一周遅れ」という言葉がぴったりくるほど、気がつけば思いの外、これからの真実に向かって近づいていることがよくあります。テレビのチャンネルも少ない山の中で畑仕事をしているおじいちゃんやおばあちゃんのニュースに関するお茶飲み話のコメントが、最新の哲学者や学識経験者と同じ意味ということはよくあります。

リアルタイムで目まぐるしく変わる情報に埋もれて日別の枝葉のデータに右往左往する現代のライフスタイルよりも、年間の大見出しを抜粋して遠くから幹を眺めて真実を自分なりに考えた方がよい時代かもわかりません。あらためて「年寄りの話」に耳を傾けてみる時代なのでしょうか。その意味で四国に生活する人の意見は、都会にとってこれから重要になる時代なのかも知れませんね。

四国なんでも88箇所 巡礼推進協議会会長 佐藤 哲也

略歴
1960年4月5日 高松市生まれ
1979年 高松高校 卒業
1984年 早稲田大学政治経済学部政治学科 卒業
    株式会社西武百貨店 入社
1986年 株式会社久本酒店 入社
1992年 代表取締役社長 就任
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四国なんでも88箇所 巡礼推進協議会会長 佐藤 哲也

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