最新のプラント設備で実習

坂出工業高校

Interview

2022.10.20

ものづくり

高校・大学

課題解決

人材育成

坂出工業高校には、機械科、電気科、建築科、化学工学科があり、基礎的な知識や技術、技能の確実な習得に加え、実践的なスキルを身に付けるための授業を行う。毎年、全国から多数の求人が集まるが、2021年は3年生131人のうち80人が地元企業に就職。県外就職は10人、ほか41人は進学で、県の製造業を支える人材を輩出している。

化学工学科では、化学のベースとなる工業化学やプラント設計に必要な化学工学のほか、地球環境化学のような新しい分野も学ぶ。キレート滴定や有機合成といった基礎実験から、バイオテクノロジーのような生化学分野の研究まで実習も幅広い。資格取得にも力を入れている。

「化学反応を順序良く、安全に進めるための技術を学んでいます。社会人として大切な提出物の期限順守は徹底。現場で通用する人材に育ってほしい」と担当の三村明伸教諭。

今年、実習室にICTを活用した最新の製造プラントが完成し、3年生はデンプンからブドウ糖をつくる実習に取り組む。ボイラ蒸気量の調節、液化反応を調べるためのサンプリング、糖化度の測定、コンピュータによる温度やpHの設定、イオン交換膜を使ったろ過など、プラント作業の工程を学習する。

2年生の代表者は毎年「高校生ものづくりコンテスト　化学分析部門」に出場。18回目となる今年は、8月に四国大会があり、四国の化学系工業高校7校が出場。同校からは阪口さくらさん（17）がエントリーした。
「理科の実験が好き」という思いで同科を選んだ阪口さんは、昨年出場した先輩の適切な実験器具の扱い方に憧れ、後に続きたいと立候補。夏休み、猛暑の中の練習にも、「やればやるほど精度が上がり、正確な数値に近づいていくので楽しい」と笑顔。全国出場は逃したが、かけがえのない経験となったようだ。「卒業後は、学んだことを生かし、県内で働きたい」としっかり将来を見据えている。