活発なコミュニケーションで
付加価値の高い製品を生み出す

東洋炭素

Cha✕Cha

2023.11.27

yBK

コミュニケーション

付加価値

組織づくり

生産性向上

（写真左）生産本部　機能材料部　香川　颯汰さん（観音寺総合高校出身）
管理本部　総務部　近藤　優奈さん（観音寺総合高校出身）

待遇面だけではなく「働きやすさ」にも力を入れる企業が増えている。働きやすさには、人間関係が良好、上司や部下など立場に関係なく意見交換できる雰囲気や仕組みがある、教育体制など様々な側面がある。働きやすい職場づくりをすることで社員のモチベーションが上がり生産性向上、離職者の減少などにつながる。

東洋炭素の特徴は、意見交換が活発にできる風通しのいい職場環境にある。県内にある3拠点で、各工程の部署ごとに毎月話し合い、どうすればミスを減らせるか、作業効率を上げるにはなど、意見やアイデアを出していく。改善提案発表・5S活動を行い最大100万円まで支給される表彰制度もある。そんな環境で自ら考える力やコスト意識が養われる。

また詫間事業所加工部では、研修後すぐ現場に入るのではなくベテランの職人が図面の見方や工作機械の扱いなど、基礎知識を新人に1カ月間マンツーマンで指導する教育体制が整っている。

同社は炭素（カーボン）の中でも「高機能カーボン」の製造加工技術に優れ、シェアは世界トップクラス。独自の製法でXYZ軸すべての方向性で均一に特性を発揮する「等方性黒鉛」の量産化に世界で初めて成功し、半導体から一般産業、宇宙航空分野等で広く採用されている。

今後もフラットで創造性の高い組織で、カーボンの新たな機能開発を目指している。

それぞれの部署はどんな雰囲気ですか。

生産本部　機能材料部
香川颯汰さん（観音寺総合高校出身）

【香川】大野原にある生産技術センターで、加工された黒鉛製品の表面処理をする仕上げ作業を担当しています。お客様に納品する前の最後の工程なので、不良品を出さないためには、付加価値を高めるにはどうすればいいかといったことを定期的に話し合っています。先輩も「何でも言って」という感じなので、意見が言いやすいです。工業が専門ではなかったのですが、入社当初から丁寧に教えてくれて成長を後押ししてくれました。

【近藤】総務部は各事業所に1人ずつが基本で、私が在籍する詫間事業所は上司である部長と2人。業務範囲は広く最初はとまどうこともありましたが、部長に何でも相談できるので安心して働くことができます。

何か提案したことはありますか。

管理本部　総務部
近藤優奈さん（観音寺総合高校出身）

【近藤】社員さんから要望が寄せられたことがあったのですが、日々の業務に追われてなかなか対応できないことがありました。総務は、社員がどうすれば気持ちよく働けるかを考える仕事なのにこれではいけないと思い、まずは自分の業務で無駄なところを探して、データ作成方法や業務の工程を見直し、効率的に仕事ができるように改善しました。

【香川】すごい。私は作業効率について意見を出しました。携わっているのは半導体の製造部材になる製品ですが、これは今後も需要が高まっていくのでもっと作業効率を上げる必要があると考えました。カーボンは加工が難しいといわれていますが、それだけに加工の精度をあげれば、より製品の価値は高まってくる。常にコスト意識ももつように心がけています。

働きやすい職場は仕事へのモチベーションも上がりますか。

【香川】常に同僚や先輩とコミュニケーションをしっかり取れるので働きやすい。有給も取りやすいので、オンとオフの切り替えがしやすいかもしれません。

【近藤】今、社内報を月1回発行しています。社員さんにお願いして原稿を書いてもらったり、話を聞いたり。「こんな一面があるんだ」「自分の仕事に誇りを持っているんだ」など、私が聞かなければ話す機会もないことを、みなさんに伝えられるのは嬉しい。大変ですが、しっかり仕事を任せてもらえることがやりがいにつながっています。

高校の時にやっておいた方がいいこと

香川さん
将来のことを考えるのも大切ですが、その時にしかできないことを全力で。友人との思い出を作ってほしい。

近藤さん
高校生の間は、部活でも何でも、熱中できるものを見つけてそれに打ち込んでほしい。充実した日々を送ってください。

◆キーワード

5S活動

「整理・整頓・清掃・清潔・しつけ」という「S」の頭文字を持つ5項目を徹底させることで、製品やサービスの品質・コスト・納期の改善を図る活動のこと。不用品を整理して置き場所を整頓することで作業スペースや時間のロスをなくす。清掃・点検した清潔な状態をキープすることを企業風土として習慣化することで経営改善につながる。