「道端にポリ袋が落ちていたら、袋そのもののイメージが悪くなってしまいますから」。袋を持ち歩けば、出先で目に付いたごみを拾うときや、思わぬ荷物が増えたときに重宝する。丸善工業はポリエチレンを原料とした袋とうちわの製造、印刷、加工を行う。主力製品はポリ袋だ。
創業者である父が、レジ袋の印刷から始めた袋づくり。ポリ袋といっても種類はさまざまで、時代に合う形に変化してきた。強度のある手提げタイプの袋や、洋服店などショップバッグの製造も手掛ける。「商品のブランド力に合う袋を提供したい。見てうれしくなるようなものが作れたら」
小ロット短納期を実現するのが、印刷技術だ。素材がポリエチレンで伸び縮みするため、紙の印刷とはまた手法が異なる。ポリエチレンの状態は季節やその日の気温にも左右される。
ポリ袋の製造方法は2通り。一つは、シート状にしたポリエチレンの表面に印刷し、シートの端を張り合わせて袋にする方法。二つ目は、筒状にしたポリエチレンに印刷し、裁断して袋にする方法だ。
全国で10数台しかないという12色印刷機が、丸善工業には3台ある。色の基本となる4色(シアン、マゼンタ、イエロー、ブラック)と特色(4色の掛け合わせで表現できない色)のインクを使って、両面同時に印刷できるものだ。そのため、前者と後者のどちらの製造方法にも対応できる。
入社当時は、社屋や工場の整理整頓に力を入れた。「汚れていては、お客様の信用を得られません」。丸善工業を"外から見る"という視点は、常に忘れずに持つ。社長就任後は、社内の報奨制度を充実させた。「人が資本です。社員に感謝し、育てることに力を入れたい」
2009年からは、社内絵画コンテストを実施。社員の子どもを対象に絵を募集し、優秀作品は袋に印刷する。その時々の最新の印刷技術を用いて製作する丸善工業オリジナルの袋は、商品サンプルの役割も果たし、営業で大活躍している。
三谷 朋幹 | みたに ともき
- 1970年3月 坂出市生まれ
1988年3月 香川県立坂出高等学校 卒業
1996年3月 丸善工業株式会社 入社
2007年3月 代表取締役社長 就任
2013年3月 香川大学大学院
工学研究科博士後期課程 修了
- 写真
丸善工業株式会社
- 所在地
- 香川県綾歌郡綾川町陶6734(営業本部)
- TEL
- 087-876-1110
- 事業の概要
- ポリエチレンを主原料にした袋・うちわなどの製造・販売
- 資本金
- 9700万円
- 社員数
- 190人
- 確認日
- 2018.01.04
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