
戦後まもなく祖父が創業した筒井製菓。手先が器用だった祖父は、オリジナルの機械をこしらえ、豆菓子製造を始めた。メンテナンスを続けながら今も当時の機械を使用している。父が2代目で、4年前に筒井さんが3代目社長に就任。
子どものころ、朝起きると両親はすでに作業を始めていた。配達の手伝いも自然と行い、「豆菓子屋」になることは当たり前に感じていた。「野球ではピッチャーがゲームをつくっていきます。会社の経営者も似たような立場ですね」

機械は全自動ではなく手動式のため、豆の状態を目で確認しながら作業を進める。筒井さんは自らを「人力豆菓子屋」と言う。水分をどれくらい残すか、どこまで火を通すかといった調整は、季節やその日の天気に左右される。マニュアルどおりでは同じ味を出せない。
祖父はそら豆を揚げた「フライ豆」、父は塩味の「バターピーナッツ」といったシンプルなものをメーンに作ってきたが、筒井さんは新しい味付けに挑戦。

昨年発売した「かがわどくろ」も新しい試みの一つ。県オリジナル品種の黒豆「香川黒1号」を使った商品だ。「香川黒」を広めたいとの思いで、ヌーベル和三盆「ガイコツ」のデザインを手掛けた高橋信雅さんとコラボレーション。和三盆では白色だったパッケージを黒に、中袋もどくろ形にした。黒豆を敷き詰めた中に、皮をむいた豆を二つ入れて目を表現。箱を開けると、中にもどくろが現れる仕掛け。
祖父や父と同じく職人気質を受け継いだ筒井さんだったが、経営者になり考え方も変わってきた。「豆がどんなにおいしくても、それだけではだめ。営業力を磨いて販売に力を入れたい」
商品の購入は、筒井製菓の店頭と量販店や土産物店などでできる。2001年からは「豆菓子屋.COM」というウェブショップも展開。「これまでは何事も直球勝負でしたが、やっと変化球もコントロールできるようになりました。柔軟に、軽やかに対応していければ」。どんな変化球が飛び出すか、注目したい。
筒井 朋章 | つつい ともあき
- 1970年12月25日 高松市生まれ
1993年3月 青山学院大学国際政経学部 卒業
1993年4月 松下電器産業 入社
1997年10月 筒井製菓 入社
2010年1月 社長就任
- 写真
有限会社筒井製菓
- 所在地
- 香川県高松市多肥上町1706
- TEL
- 087-889-0522
- https://www.facebook.com/mamegashi
- 事業の概要
- 菓子の製造および販売
- 資本金
- 500万円
- 社員数
- 7人(パート含む)
- URL
- http://www.mamegashiya.com/index.htm
- 確認日
- 2018.01.04
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