細かなカスタマイズで
全国の「食」の現場を支える

コーエイコンピューターシステム

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2023.11.27

(写真左)システム開発部 今井辰弥さん システム開発部 中川竜平さん

(写真左)システム開発部 今井辰弥さん
システム開発部 中川竜平さん

学校、幼稚園、保育所の給食は1食あたりの栄養量の基準や目標値が定められている。病院や福祉施設などの食事も病状などによって内容が変わる。それらの施設を「食」で支える栄養士は、栄養量や価格などを考えながら毎日の献立を考え、食材を発注する。

コーエイコンピューターシステムは、この大変な作業をサポートする栄養管理ソフトに特化して開発・販売を行う、業界では知られた存在だ。

開発ソフト「EIBUN(エイブン)」シリーズは、献立や人数などを入力すれば自動的に栄養計算や食材の発注管理のほか、毎月もらう給食の献立表作成など様々な業務をサポートしてくれる画期的な製品。ベースとなる機能をもとに、例えば学校給食なら3・4年生の献立を入力すれば自動的に低学年は量を減らし高学年は増やせるようにしたい、病院なら塩分・脂質の量など個人に合わせた献立展開をしたい、自治体によって違う「保健所への提出書類」の印刷様式にも対応してほしい、といった細かなニーズに合わせてシステムをカスタマイズ。あらゆる施設を網羅できる点が同社の強みだ。

ソフトはパソコンに導入するものとWeb版があり、Web版では複数の調理場で同じ献立を調理する場合の情報共有も可能。時代のニーズにもいち早く対応しながら、全国の「食」の現場を支えている。

施設によってどんなニーズがありますか。

システム開発部 中川 竜平さん(坂出高校出身)

システム開発部
中川 竜平さん(坂出高校出身)

【中川】病院などでは、一人ひとりに合わせた献立に対応すること。そこで、普通食を基準に塩分油分量を減らしたり、食べられない食品を入れ替えたりが「展開」ボタンを押せば自動的にできるシステムにしています。配膳を間違えないように色の違う名前・部屋番号・食事内容の札を印刷できる機能もあります。また、お惣菜工場だと献立ではなく、一つひとつの惣菜ごとに量や数を管理する機能が求められます。

【今井】業者への委託給食の場合は1カ所で別々の献立を調理する必要があるので、サーバーで一括管理できるWeb版へのニーズが高いです。最近は、アレルギー対応給食に対応してほしいという要望も増えています。

開発で苦労したことは?

システム開発部 今井 辰弥さん(香川高専詫間出身)

システム開発部
今井 辰弥さん(香川高専詫間出身)

【中川】他社システムとの連携への要望も多いです。患者の食事の注意点は医師が電子カルテに入力しますが、それをもとに栄養士が別のシステムに入力するとミスの危険性もあります。そこでシステムを連携させるのですが、データ構造が違うものを統合するのは難しい。大変ですが、思った通りにシステムが動くとやはり嬉しいです。

【今井】給食で10キロのケチャップを発注するとして、3キロ・1キロ・500グラムのサイズ違いの商品をどう組み合わせて購入すれば一番安くなるか計算して発注するシステムにしてほしい、といわれた時はものすごく悩みました。でも、現場のニーズを形にするのが私たちの仕事だと思うので頑張りました。

今後、取り組んでみたいことは ありますか。

【今井】現在のソフトはこれまでのノウハウが活かされて機能は豊富です。今後は、使い勝手も追求したい。機能は多くてもボタン一つで使えるとか動作速度、あとは操作が楽しくなるような画面デザインも大事だと思います。

【中川】学校や病院以外にも「食」のソフトを求めている人は潜在的に多いと思います。例えば、食事管理が大切なスポーツ選手や高齢者を介護する家庭など。市場調査もしながら、そういったBtoCのニーズも掘り起こしていきたいと考えています。

高校の時にやっておいた方がいいこと

中川さん
システムの分野を専攻したわけではありませんが、興味があることを大切にしたから今があります。だから、興味を持ったことは積極的に学んでみてください。

今井さん
どんな仕事が世の中にあるか、アンテナを張って知っておくと可能性が広がります。視野を広くもって自分の進む道を考えてほしいと思います。

◆キーワード


差別化集中戦略

特定のニッチな市場や限定されたターゲットに向けた商品を販売し、差別化と資源の集中を図る戦略。自社がもっている技術力やブランド力を最大限に活かせる市場に絞り込むことがポイントとなる。市場が狭いために投資コストを抑えられる、大企業が参入しづらい、自社の資源を効率的に活用できるといったメリットがある。

株式会社コーエイコンピューターシステム

住所
香川県坂出市旭町一丁目1-27
代表電話番号
0877-44-1668
設立
1989年
社員数
37人
事業内容
オリジナルソフトウェア及びコンピューターシステムの企画・販売・保守・機器販売
(主に医療関係・食育・特定保健指導・栄養管理を中心としたソフトウェアの販売・ネットワーク構築・機器販売)
沿革
1989年 創業(主目的はパソコン教室、業務用ソフト開発)
1991年 「EIBUN養護学校版(現特別支援学校版)」発売
1996年 有限会社コーエイコンピューターシステムとして企業登記
1997年 株式会社に組織変更
2003年 東京支店 出店
2005年 ソフトウェア企画開発部門を株式会社フリースタイルとして分社
資本金
3000万円
拠点
東京本社、名古屋支店、大阪支店、広島支店、福岡支店 他
グループ
株式会社フリースタイル(ソフトウェアの企画・開発)
地図
URL
https://tera-net.co.jp/koei/
確認日
2023.09.21

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