古里・高松の山で おいしい蜂蜜を採る

峰山ハチミツ 養蜂家 天野 洋平さん

Interview

2013.10.03

高松市峰山町。ここで蜂蜜が採れるのかと驚いてしまう。頂上に峰山公園があり、市民にはなじみが深い場所ではないだろうか。高松の中心部から程近い、そんな山の一角で養蜂が行われているのだ。

日焼けした肌と笑顔が印象的な峰山ハチミツの天野洋平さん(33)。「インパクトのある顔なので、皆さん一度会ったら覚えてくれます」。商品に貼ってあるステッカーには、天野さんの顔が描かれている。採蜜した時期を明記するのがこだわりだ。

蜂は、峰山にあるさまざまな植物から蜜を運んでくる。季節によって蜜源となる花が異なるため、「春1番」「春2番」「初夏」「真夏」など区別している。ビンを並べると、色の違いがはっきり分かる。食べれば味の違いに、さらに驚く。春はサラッと爽やかで、夏は濃厚。後には花の香りが残る。
「養蜂を始めて3年目。毎日、発見の連続です」。父が高松で浄化槽の維持管理会社を経営しているため、いずれは地元に帰ろうと思っていたが、修業のつもりで他社へ就職した。

健康食品のメーカーで、蜂蜜やローヤルゼリー、プロポリスなどを扱っていた。そこでの仕事が「蜂の世界って面白い」と教えてくれた。

7年間勤め、30歳で帰郷。「老後の趣味として養蜂をやってみたい」。父に話すと、「それなら今だ」と準備が始まった。「計画が30年も前倒しになりました。でも、まだまだ蜂蜜の販売だけでは商売と呼べません」

最初の1年間は、まず蜂の数を増やすことに集中。以前の勤め先で蜂蜜を扱っていたが、養蜂は初めての経験。天敵はスズメバチと体に寄生するダニだ。駆除のタイミングを間違えると、蜜蜂の命にかかわる。越冬にも細心の注意が必要だ。

試行錯誤を重ねて巣箱を増やしていった。2年目に蜜を採取して、テスト販売。今年から本格販売を開始した。「取れ高は気候に左右されます。気温や今どんな花が咲いているかなど、季節の移り変わりに敏感になりましたね」

蜜蜂の行動範囲は半径約2キロ。近隣住民も「作物の受粉に助かる」と好意的だ。
最初1万匹ほどだった蜂が、80万匹までに増えた。今年の蜂蜜の収穫量は、約400キロ。目標は1トンだ。「地域密着型の養蜂家を目指しています。地元で採れた蜂蜜を、地元の人に味わってもらいたい」

不定期で、養蜂場の見学会や採蜜の体験教室を開催している。「蜂に対して『怖い』という思いを『楽しい』に変えられたら。身近で蜂蜜が採れることも知ってほしい」

現在、準備しているのは巣箱のオーナー制度。年会費を払って一つの巣箱のオーナーになり、巣箱の作成から採蜜までを体験できるものだ。1年を通して蜜蜂と触れ合い、蜜の味の違いを楽しめる。

「峰山は僕が子どものころからの遊び場でした。峰山ハチミツが自然について考えたり、親しんだりするためのツールになれば。たくさんの子どもたちに遊びに来てほしいですね」

浄化槽維持管理の本業をこなしながら、養蜂も行う。蜂の世界を見ていると、会社組織に似たものを感じることもあるという。「蜂の群れは、女王蜂と働き蜂で構成されています。重要な働きをするのは、餌場を見つけ蜜を運び、一生懸命に幼虫を育てる働き蜂。企業もトップダウンではなく、ボトムアップでなければいけませんね」

にかっと笑うその顔は、まるで少年のようだ。

天野 洋平 | あまの ようへい

1980年7月22日 高松市生まれ
1999年 高松商業高校 卒業
2003年 立命館大学経営学部 卒業
    株式会社アピ(岐阜県)入社
2010年 株式会社ミネック 入社
写真
天野 洋平 | あまの ようへい

峰山ハチミツ(ミネック養蜂事業部)

所在地
高松市峰山町1837
TEL
087-861-6300
2011年 養蜂を開始
2012年 「峰山ハチミツ」のテスト販売
2013年 「峰山ハチミツ」の本格販売開始
URL
http://mineyama-honey.com/
確認日
2018.01.04

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