
5月中旬に出荷される淡竹
タケノコは、古事記にも登場するほど、日本にはなじみの深い野菜の一つなのですが、現在、タケノコとして流通している孟宗竹は17世紀に日本に入ってきた植物で、日本での利用の歴史はそれほどまで深くはありません。また、孟宗竹のタケノコのピークは4月であり、5月中旬には店頭から姿を消します。では、竹笋生はどのタケノコを指すのでしょうか。
実は、5月15日ごろにピークを迎えるタケノコがあります。それが「淡竹(はちく)」です。孟宗竹のタケノコと比較すると、長さ、太さ、皮の色と見た目は全く異なり、また、ぬかを使わず水で下ゆでするだけであく抜きができ、味覚的にもほのかな甘みを持ちます。
香川県において「竹笋生」の時期に食べられてきたタケノコというのは、実は「淡竹」だったのではないかと感じるとともに、江戸時代の食文化が、現代にも生き続けていることを強く感じます。
【豆知識】タケノコご飯

タケノコご飯
野菜ソムリエ 上級プロ 末原 俊幸さん
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