「和田氏の作品は版画などが多く、人形は珍しい」と同社執行役員の溝川美香さん。10年ほど前、和田氏が制作した当時は世に出ることのなかったおとぼけ人形の存在を知り、「ぜひ広く紹介したい」と和田作品に詳しい灸まん美術館に相談。もともと10種あった人形のうち4種を商品として復刻することにした。
オリジナルは土器川の石を型にして作られた張りぼてだったが、復刻版は張子の技法を採用。自然のフォルムをそのまま生かした原形を、まず欄間彫刻の伝統工芸士・朝倉準一さんが木型で精密に再現。その木型をもとに張子虎の伝統工芸士・田井艶子さんが張子人形に仕上げ、一体一体手描きで表情をつけている。通常の張子は和紙を貼り重ねた上に胡粉を塗って仕上げるが、オリジナルに近い風合いを出すため、胡粉の上にもう一度和紙を貼るなどの工夫も凝らした。
かがわ産業支援財団の支援なども活用しながら試行錯誤と試作を重ね、おとぼけ人形をモチーフにしたオリジナルカードゲームとともに2023年4月に発売。人形は「通常より手間のかかる手作業で、月25個程度つくるのが限度」というが、県内4カ所の直販店と通販を通じて、民芸や郷土玩具に興味を持つ層に人気だ。溝川さんは「和田邦坊の世界を身近に感じてもらえたら」と語る。
株式会社tao.(讃岐おもちゃ美術館shop)
Tel:087-887-6762
「おとぼけ人形」詳細
株式会社tao.
- 住所
- 香川県高松市大工町8-1 丸亀町くるりん駐車場1F
- 代表電話番号
- 087-884-7123
- 設立
- 2002年4月
- 社員数
- 24名
- 地図
- URL
- https://tao-works.jp
- 確認日
- 2024.07.04
おすすめ記事
-
2024.06.03
第3回穴太(あのう)衆積み石垣技術講習会 in 庵治
TRACE合同会社
-
2023.06.01
庵治という産地の存在感を広くPRし続けたい
協同組合庵治石振興会
-
2023.02.02
「世界にたったひとつだけの花」
四国なんでも88箇所 巡礼推進協議会会長 佐藤 哲也
-
2010.09.02
次世代へ継ぐ・・・・・・
先人の「開拓者魂」と「やわらかな発想」ハシセン 代表取締役会長 橋本 康男さん
-
2009.05.21
誇れる、優れた素材と確かな技術力。「庵治石」ブランドの確立めざし、男たちが立ち上がった。
第1回庵治石グランドコンペティション
A.S.G.C 2009実行委員会(あじストーンフェア2009内で実施) -
2017.03.16
チシャもみにみる食文化の趨勢(すうせい)
野菜ソムリエ 上級プロ 末原 俊幸
-
2018.08.16
“私らしさ”で 新たな伝統をつくる
かめびし 十八代目 岡田 佳織さん
-
2014.02.06
庵治石ブランドを次の世代に ~大丁場17代当主の心意気~
大丁場 17代当主 大久保 一彦さん
-
2024.10.17
日産約20トンの製造を支える高い設備力
株式会社さぬきシセイ
-
2024.08.01
「ものづくりが好き」が拓いたエキスパートへの道
造田拓也(ぞうた・たくや)さん/株式会社三祥 製造一課第2グループリーダー
-
2024.06.20
見て・学んで・試せるFA技術の複合施設
SHIKOKU ROBOTICS/四国三菱電機販売株式会社