精密な金型と生産管理で
多種多様な自動車部品を量産

レクザム

Tec✕Tec

2024.07.13

メタルワーキングBU 製造部 製造1課 第2グループ 写真左:チーフ補・伊達陸人さん(多度津高校 出身) 写真右:小林暖喜さん(観音寺総合高校 出身)

メタルワーキングBU 製造部 製造1課 第2グループ
写真左:チーフ補・伊達陸人さん(多度津高校 出身)
写真右:小林暖喜さん(観音寺総合高校 出身)

レクザムの「プレス加工技術」

自動車は約3万点もの部品で構成されるといわれる。車種ごとに違う膨大な部品を扱う自動車メーカーの製造現場では必要な時に必要な部品だけ発注する方式が主流で、受注側には必要な部品を2~3時間ごとに遅れなく納品し続けることが求められる。

電子基板をはじめとしたエレクトロニクス応用製品、半導体製造装置関連機器、スキーブーツや地ビールまで幅広く開発・設計・製造しているレクザムでは、ブレーキ関連の板金部品を中心に多くの自動車部品・溶接部品の生産も行っている。

手掛けている自動車部品は現在400~500種類もあり、質の高いプレス加工で新車モデルチェンジごとに受注するほどメーカーから信頼を得ている。その特徴はまず精度の高い金型。プレス加工は、上下2つの金型の間に鉄の板を挟んで圧力をかけ金型通りに仕上げる加工法で、材料となる鉄の伸び縮みのクセなどを考えながら金型をつくり、圧力をかける強さやスピードも調整する。複雑な形の部品は何度も金型を変えながらプレスしなければならない。

何工程も経て仕上げられた部品は、公差1ミリ以下の正確さ。しかも、多種多様な部品を年間約6000万個、納期通りに生産し続けられるのは、綿密な生産計画とそれを実現する技術者の力があるからだ。リードタイムを少しでも短縮するため金型を効率的、かつ正確にセットする技術、材料の鉄に無駄が出ないよう部品を抜き出すノウハウ……。技術の蓄積をベースに、今後は人型ロボットやブレスラインの自動搬送ワークロボット導入も計画し、さらなる製造の効率化とコスト削減を目指している。

担当している業務について教えてください。

メタルワーキングBU 製造部 製造1課 第2グループ チーフ補・伊達陸人さん(多度津高校 出身)

メタルワーキングBU 製造部 製造1課 第2グループ
チーフ補・伊達陸人さん(多度津高校 出身)

伊達 主に金型や材料をプレス機にセットするなど「段取り」と呼ばれる工程を担当しています。大きい金型だと2メートルほど。プレスの圧力、スピード、セットする位置など少しの違いで品質に影響が出ますし、金型を短時間で取り替えないと次の工程がストップしてしまいます。どうすれば効率的に製造できるか常に考えています。

小林 素材となる鉄板から部品の型を抜き出す最初の工程に携わっています。まずその日の材料と加工内容を把握したら、1枚の加工に何秒かかるか、何時までにこの作業を終わらせるか、どのような流れで作業を行うかなどを、自分でイメージしながら進めています。

業務の中で心掛けていることは。

小林 加工した際に意図せず残る出っ張り(=バリ)が出やすい材料、割れやすい箇所など、経験していく中で気を付けなければならないポイントが分かるようになってきました。そのポイントを押さえつつ、加工されるプレスラインの中で不具合を見逃さないよう心掛けています。

伊達 同じ金型を使って同じ鉄を加工していても伸び縮みの状態が変わることもあり、その小さな変化を見逃さないようにするのが難しいです。また、後輩たちをマネジメントする立場にもなったので、同時並行で違う部品のラインが動いている現場を回りながら不具合が起こりそうな場合は声掛けして、スムーズに作業ができるようにしています。

おもしろいと感じることと、今後に向けて。

小林 車が好きなので、自分が携わった部品1枚1枚が世界の工場で使われて製品になっていくのは嬉しいです。今の業務で経験を重ねた上で、次は段取りの業務も勉強できれば。その時に備えて、フォークリフトの免許を取得したいです。

伊達 私も車が好きなので、販売店に並ぶ車のブレーキ部品を見ると嬉しくなります。今後は、技術的なスキルはもちろん、一人ひとりの適性を見ながら人員配置ができるようにするなどマネジメント力も向上させたいです。また、実際に製造してみるとその金型では作業しにくいということもあります。そういった場合は、現場の声として金型を設計する部署にフィードバックして生産性向上にもつなげていきたいと考えています。
精密にプレス加工された部品

精密にプレス加工された部品

◆キーワード


プレス加工

加工する材料の上下から金型をあて加工機で圧力を加えて形を変える加工方法のこと。加工の種類は「切る」「曲げる」「絞る」「穴あけ」「伸ばす」などがある。精密な金型をつくることで安定した品質の製品を量産できるという特長がある。プレス加工で製造された部品は、自動車、家電、パソコン筐体などの電子機器から、鍋などの生活用品、建材まで幅広く使われている。

株式会社レクザム

住所
香川県高松市香南町池内958
代表電話番号
087-879-3131
設立
昭和35年1月
社員数
1,320名 [2023年4月現在]
事業内容
エレクトロニクス応用製品(電子コントローラ、医療機器他)、半導体製造装置関連機器、自動車部品、精密機械加工品、スキーブーツ、地ビール、乾燥剤などの開発・設計・製造・販売
所在地
本社:大阪市中央区南本町2-1-8
TEL.06・6262・0871
香川工場:高松市香南町池内958
TEL.087・879・3131
設立
1960年1月
代表者
代表取締役社長 岡野晋滋
資本金
4,880万円(レクザムグループ総資本金 91億円)
事業内容
エレクトロニクス応用製品(電子コントローラ、医療機器他)、半導体製造装置関連機器、自動車部品、精密機械加工品、スキーブーツ、地ビール、乾燥剤などの開発・設計・製造・販売
グループ会社
レクザム電子四国、レクザム金属岡山、
蘇州隆祥電子・深圳先隆電子・
保山九隆酵母・昆明隆祥化工(中国)、
レクザムタイランド、レクザムチェコ 他
地図
URL
https://www.rexxam.co.jp
確認日
2024.07.18

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