
写真左:技術員 遠藤圭悟さん(出雲西高校出身)
写真右:調査診断部 谷祥太朗さん(香川高専高松出身)
ジャスト西日本の「非破壊検査技術」
ジャスト西日本は、橋梁、港湾、マンション、ビルなどあらゆる構造物の“現状”を正確に把握する調査・検査・診断を行う。主に構造物を壊すことなく調べる「非破壊検査」の技術に定評があり、赤外線、X線、超音波、ドローンなどあらゆる方法で調査を行うことができる。
常に新たな技術を追求し、新技術として評価されている赤外線調査「Jシステム」も導入している。赤外線調査は、物体が出す赤外線を熱に変換して可視化するカメラを使う。コンクリート内に空洞があると正常な部分と熱の伝わり方が変わり、表面温度に違いが出ることを利用した調査方法だ。この方法は従来からあるが、気温・風雨・日光の反射等、調査に適した環境かどうかの判断が難しく、測定で出た温度差から損傷か否かの識別判断に熟練が必要であり個人差があるといった課題があった。
Jシステムでは、厚さ1ミリの疑似空洞がある試験体を調査する構造物に貼り付け、温度差が正しく検出できるか調査前に確認することにより、調査ができる温度環境かどうかの判断がひと目で判断できるようになった。熱画像解析では、AI自動診断により個人差によるバラツキが解消された。またカメラに偏光レンズを装備し、熱反射の影響を軽減できる点も特長だ。
機器を扱うためには技術が必要。業界の中でJシステムをいち早く導入できた背景には、これまで数多くの現場で赤外線調査を経験してきた技術者の知見が活かされている。
どのような業務に携わっていますか。

調査診断部 係長 六車雄仁さん(高松工芸高校出身)
六車 現在は橋や高速道路といったインフラからビルなどの建築物までX線探査など様々な方法で調査を行っています。また、会社全体で資格取得に力を入れていて、社長を筆頭に約100人の社員で1200を超える資格を取得しており、知識に裏付けされた技術は信頼につながっています。
Jシステム導入のメリットを どう感じていますか。
また、昼夜問わず調査ができるようになり、作業計画も立てやすくなりました。試験体を使うことで誰でも調査可能かの判断ができ、撮影した熱画像は自動解析が可能なため人によって判断が微妙に違うということがなくなった点が大きいと思います。点検時間が65%、解析時間を75%短縮できるという試算もあるようです。
仕事のやりがいや、 今後に向けての思いを教えてください。

調査診断部 課長 嶋田 学さん(多度津高校出身)
嶋田 新技術にいち早く携われるのは貴重な経験です。特殊な技術をもち、それがインフラの予防保全に活かされていると考えるとやりがいがあります。Jシステムで業務を行うため「Jシステム技術者登録証」は取得していますが、その技術は年々アップデートされているので、自身も知識や経験を積み重ねていくことが大事だと思います。あとは、Jシステムで新たにできることがないか試案する、技術を次の世代に継承することも大事だと考えています。
◆キーワード
赤外線調査

株式会社 ジャスト西日本
- 住所
- 香川県坂出市築港町1丁目8-8
- 代表電話番号
- 0877-46-7973
- 設立
- 1997年4月18日(株式会社ジャスト四国)
- 社員数
- 99 名(ジャスト西日本全体)
- 事業内容
- 鉄骨第三者検査、鉄筋継手部第三者検査、
コンクリート内部探査、地中埋設物探査、
建物調査、マンション診断 他 - 地図
- URL
- http://www.just-nishinihon.jp/
- 確認日
- 2024.07.18
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