企業や暮らしを「システム」で支える

ロジック 社長 山﨑 直樹さん

Interview

2025.09.04

高松市新田町のロジック高松本社

高松市新田町のロジック高松本社

「縁の下の力持ち」として

社会には様々な企業があり、様々な商品やサービスを提供している。しかし、どんな企業であっても、販売管理や生産管理、会計処理や人事査定などの基本的な業務がそれぞれの足腰を支えている。それら企業の根幹に関わる業務システムを開発しているのが、高松市に本社を構えるロジックだ。今年5月に創業40年を迎えた。

「企業から依頼されたソフトウェアの開発や、ネットワーク、サーバ、セキュリティなど、普段みなさんがあまり意識せずに使っているシステムを、安定して稼働させるのが私たちの役目。派手さはありませんが、お客様が困らないよう、安心して仕事がスムーズに進められるよう、『縁の下の力持ち』でありたいと思っています」。2019年、3代目社長に就いた山﨑直樹さん(55)は力を込める。
オフィスの様子

オフィスの様子

高松のほか、松山、東京に支店を持ち、大手から中小まで、また官公庁のシステムにも携わる。電力会社の配電業務(電柱・電線の管理)なども担っている。システムやソフトウェア開発に加え、「土木や通信工事もやっています。光ケーブルの敷設などインフラも含めITに関わる全てを一貫して手掛けているのが私たちの大きな強み」と山﨑さんは胸を張る。

「ビルを建てることはできませんが、建った後にネットワークやサーバを構築し、その後の保守まで全部やります。新しく家が建てば、工事会社と連携しながら、電線を家まで引いて電気メーターをつけて……様々なシステム開発を手掛けていますが、中でも電力や電気メーター関連が一番得意です」

システムが持つ力

山﨑さんは生粋の技術者。事務処理用のプログラミング言語「COBOL(コボル)」を操り、電力会社の配電関係などのシステム開発を長年行ってきた。「高校時代、パソコンでゲームをつくっていた友人の影響でコンピュータにはまり、ものづくりやシステムに興味を持ちました」

ある会社のシステム開発を担当した時の話。様々な部署がそれぞれのルールの下でそれぞれに業務を進めていて、「いわゆる“バラバラ”な状態でした。部署間の連携もなく、“仲”も良くないように見えました」
打ち合わせの様子

打ち合わせの様子

各部署での業務の流れを整理し、統一したシステムを開発。部署同士で連携も取れるようにした。「社内で協力し合えるようになり、業務も大幅に効率化されました。システムを一つにしたことで、社内も一つにまとまった。それが目に見えて分かるんです。システムが持つ力を実感しましたね」

現在社員は66人。ほぼ全員がシステムエンジニアなどの技術者で、「営業担当はいません。真の“技術者集団”を目指しています」

“営業トーク”で取引先から仕事を得たり、関係を構築したりするのではなく、「技術者として要望を聞いて提案し、お客様と一緒になってつくり上げていく。“技術”で会話し、“技術”で信頼してもらうのが私たちのやり方です」

「生成AI」との共存も

ITやDXに関する世の中の流れは速い。今後は「生成AIとの共存がカギになる」と山﨑さんは口調を強める。「私たちもプログラミングなどに生成AIを利用することはある。でも、お客様側が生成AIを使えるようになれば状況は変わってくる」と話し、こう続ける。「生成AIの発展を止めることはできません。将来は、生成AIが得意としていない保守や修正、コンサルティング的なところに力を入れるなど、私たちの仕事や立場が変わっていく可能性もあります」

山﨑さんは、オンライン上で「IT講座」を開いている。「IT分野に興味がある文系の大学生向けに、現在のIT業界についてレクチャーしています」。自社をPRするのではなく、「IT業界に足を踏み入れる前に、自分のやりたいことや得意なことはどういったところなら実現できるのか、『間違えずに選んでね』という話をしています。一言でITと言っても、様々な業態に分かれていて、ミスマッチが起こることも多いので」。2~3カ月に1度開く講座には毎回全国から数十人がアクセスしてくる。「業態によれば、文系出身者でも十分やっていけます。今後の生成AIの時代には、どちらかというと文系の考え方の方が必要かもしれない」と山﨑さんは話す。
“技術”で会話し、“技術”で信頼してもらうのが私たちのやり方

“技術”で会話し、“技術”で信頼してもらうのが私たちのやり方

ロジックは5年前、民間のマーケティングリサーチ機関によるインターネット調査で
『エンジニアが選ぶ紹介したいシステム開発会社No.1』
『スピード感のあるシステム会社No.1』
『幅広く活躍できる会社No.1』
の3冠を獲得した。
社長になってまだ間もない頃のこと。「やってきたことは間違っていなかったんだと、本当にうれしく思いました」と当時を振り返る。

「業務システムというお客様の大事な部分を任されているので、もちろん失敗はできません。責任もプレッシャーも大きい仕事ですが、しっかりと信頼関係を築き、『ロジックなしではシステム開発が成り立たない』と思ってもらえる会社でありたいですね」

篠原 正樹

山﨑 直樹 | やまさき なおき

略歴
1970年 東かがわ市出身
1989年 大川東高校 卒業
1991年 香川短期大学経営情報学科 卒業
     株式会社ロジック 入社
2019年 代表取締役社長 就任

株式会社ロジック

住所
香川県高松市新田町甲2190番地3
代表電話番号
087-841-6717
設立
創業 1985年5月27日
社員数
66人
事業内容
コンピュータソフトウェア開発・販売
コンピュータ関連機器販売
電気通信工事・土木工事・LAN工事
サーバ設定等ネットワーク構築業務
人材派遣業
資本金
3000万円
事業所
高松本社、松山支店、東京支店
地図
URL
https://www.kagawa-logic.co.jp/
確認日
2025.09.04

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