キャリア教育を通じて
地域企業の魅力PRに貢献

2013年、マイナビ広島支社のアルバイト・派遣事業本部（当時）で新たなキャリアをスタート。主にアルバイトや派遣の求人情報を自社媒体に掲載する企業向けの営業だ。当時28歳、既に社内平均年齢を上回っており周囲とのギャップも感じていたが、「逆風には歯を食いしばってハングリーに立ち向かうタイプなので、『最短で部長になる！』と意気込みました。オン・オフの切り替えが明確なマイナビの環境が、物事にのめり込みがちな肩の力を少しずつ緩めてくれたおかげで、視野も広がったように思います」

実力主義の社風も、石中さんの背中を押した。広島支社・愛媛支社で過ごした4年弱で、課長から営業所長へとハイペースな成長ぶりを見せる。大阪支社を経て2018年から広島支社に戻り、21年に中国営業部の営業部長に。さらに23年から名古屋支社の東海営業統括部、24年から本社東京第1営業統括部で統括部長を務めた。

今春、社内公募制度を活用して支社統括職に応募し、審査を経て香川支社長に着任。それまでアルバイト情報事業部門一筋だったキャリアの転機ともいえる異動だ。アルバイト情報事業本部から支社長へ、というキャリアモデルは社内でも珍しく、周囲を驚かせた。「支社長業務の一つ『社外活動』に興味を持ったのがきっかけです。40歳の節目を迎えるに当たって、新しい挑戦をしてみたかった。香川での仕事は初めてですが、中四国エリアには深い愛着があり、地域の課題にしっかり向き合いたい」と意気込む。

石中さんが興味を持った支社長業務「社外活動」は、地域の行政・経済・教育業界向けの提案を通じて地域貢献と自社ブランド向上を目指すもの。売り手市場が続く求人業界で、企業の採用難易度は高い。そんな地域企業が抱える人材採用の課題に対して、同社ならではのさまざまなソリューションを提案する。高校生が地元企業と地域課題に向き合う探究学習プログラム「Locus」や、大学1～2年生向けのキャリア学習サービス「My CareerStudy」などもその一つで、香川でも展開している。

「まずはLocusを香川全域に拡大するのが目標。他の地方都市と同様に、香川も人口減少が課題です。中学生のキャリア教育も視野に、なるべく早い段階から地域企業の魅力をPRしたい。私は就職・転職情報事業の知見がまだまだ浅いこともあり、地域企業がどんな課題を抱えているか、どんな提案ができるか、自治体や商工会などへの積極的なアプローチを通じて勉強させていただいているところです」

統括部長経験者として、社内でマネジメントに関するアドバイスを求められることも多い。「私が大切にしているのは、人を守ることです。面談を通じてチームの個性を見極め、一人一人のコンディションを把握できる接し方を心掛けています。指示を出すのは管理職ですが、実行するのは現場を担うメンバーですから、彼らが主役となってモチベーションとリーダーシップを発揮できる環境を整えなくては」と語り、香川支社でもその姿勢は変わらない。

支社内の各事業部間連携など、初めて向き合う業務も多い中で、着実に成長している実感があるという香川での日々。「手探りでもいろんなことに挑戦し、いずれ大都市圏の支社で今の経験を活かしたい」と、次のステージを見すえている。