新たな事業を立ち上げ
環境変化やニーズに応える

ヴィーネックス

Cha✕Cha

2025.09.15

左:営業部 マネージャー 小久保 匡さん(奈良県立奈良高校出身) 右:(新規事業開発) ディレクター 龍満和明さん(香川高専高松出身)

左:営業部 マネージャー 小久保 匡さん(奈良県立奈良高校出身)
右:(新規事業開発) ディレクター 龍満和明さん(香川高専高松出身)

事業の成長過程は、創業から成長、安定を経て衰退・再成長という段階をたどり、企業が発展し続けるためには適切な時期に次の柱となる新規事業を展開する必要がある。

ヴィーネックスは、銀行のATMなどで出し入れする紙幣が本物か偽物かを瞬時に判別するための超高性能な「紙幣鑑別センサ」を製造・販売。センサに紙幣をコンタクト(接写)させ、赤外線や紫外線などの光で特殊なインクや偽造防止が施された紙幣を正確かつ高速で読み取るコンタクトイメージセンサ(CIS)は、世界各国のATMで使われている。

他社にはない圧倒的な技術と安定した需要で成長してきた事業だが、近年のキャッシュレス化で状況が変わった。そこで将来のリスクを見越し、CISのノウハウを活かしながら数年かけて新製品を開発。センサと対象物との距離を広げ、紙幣のような薄いものだけではなく、食品や半導体といったコンタクトできない対象物も高い精度で撮ることができる「CIS型ラインカメラ」を完成させ、様々な製造現場へと市場を広げている。

この展開をステップとし、現在はゼロから全く新しい事業の立ち上げを目指している。「ものづくりであること」を基本に、中心となる担当者を選任し、社会にどんなニーズがあるのか分野を絞らず情報収集。テクノロジーの進化による産業構造の変化、商品サイクルの短期化が進む中、新事業創出への取り組みが始まっている。

「CIS型ラインカメラ」開発の際はどのように関わりましたか。

龍満 研究開発に携わりました。この時は既存の技術を活かすことを前提にして、どういったところに売り込むかを絞り込むため、顧客へのヒアリングや市場調査を行いFA(ファクトリーオートメーション)の製造現場をターゲットに開発を進めました。

小久保 入社したのはちょうどCIS型ラインカメラの試作品が完成したころでした。まだ製品として販売できない状態で営業活動をするのは難しい部分もありましたが、話を聞いてくれた企業からの反応はよかった記憶があります。

その時の苦労や課題は?

小久保 今までずっと紙幣鑑別センサを製造してきたので、お客様は金融系がほとんどという状態。そこで展示会などにも積極的に参加して、他の業界の企業にも当社のことを知ってもらうところから始めました。私自身、前職で研究職から営業職にキャリアチェンジしたので、お客様に興味をもってもらうために何をすべきかは分かっていましたが、前職とは扱う製品が違う。ほかにはない製品の特長を伝えるため、まずは製品知識を深めるようにしました。

龍満 CIS型ラインカメラは購入すればすぐ現場で使えるというものではなく、検査システムにどう組み込むか、狙い通りの画像が撮れるか、などお客様が検討・評価する期間が必要で、最初の1台が売れるまでに時間がかかりました。また、対象物を精度よく読み取るという基本機能以外に、例えばカメラの設定を複数保存しておきたいなど、お客様ごとに要求される機能が数多あり、その対応にも時間がかかりました。新しい市場に飛び込んだがゆえの苦労でしたが、開発・営業、それぞれに経験したことは、新規事業の際にも活きると思います。

新規事業について。

紙幣鑑別用CIS(検査ロボット)

紙幣鑑別用CIS(検査ロボット)

龍満 既存の技術を発展させるのか、全く新しい製品なのかも含めて、現時点では何も決まっていません。CIS型ラインカメラ開発にも5年ほどかかったので、第三の柱をつくるためには今から始めないと。現在は、幅広い方法で情報収集している段階。新規事業立ち上げのプロセスに関して方法論もいろいろありますが、最初は本当に何気ない発見や突拍子もないアイデアから始まるのではと思っています。

小久保 新規事業について今できることは、お客様と話をする中で「将来こんなニーズがある」という発見を研究開発チームに伝えること。研究開発と営業、両方を経験した上で、私の役割は技術者とお客様の橋渡しをすることだと考えています。今までにないすごい製品を完成させるために、その役割をしっかり果たしたいと思います。

◆キーワード


0→1

新たな製品開発や市場開拓を行う新規事業開発の過程で、自社はどの段階にいて、次はどの段階に進むのかを表すもの。「0→1」のほかに「1→10」「10→100」がある。0→1はアイデアをもとにどのような事業をつくるか検討する、1→10は具体的なビジネスモデルをつくる、10→100は顧客を増やして事業を拡大させる段階を表す。それぞれの段階によって関わる人や業務内容が変わってくる。

株式会社ヴィーネックス

住所
香川県観音寺市吉岡町262番地(アオイ電子観音寺工場内)
代表電話番号
0875-57-5301
設立
2009年10月1日
社員数
69人
事業内容
紙幣鑑別および産業用CIS(コンタクトイメージセンサ)の開発・研究・製造・販売
資本金
3億1000万円(出資比率:カネカ66%、アオイ電子34%)
地図
URL
https://www.vienex.co.jp/
確認日
2024.06.06

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