新分野に挑戦することが
技術の蓄積、人材育成につながる

森川ゲージ製作所

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2025.09.15

左:製造部組立課 精密仕上Gr係長 櫛田 稔さん(高松工芸高校出身) 右:製造部機械加工課 マシニングセンタGr 植村 勇斗さん(津田高校出身)

左:製造部組立課 精密仕上Gr係長 櫛田 稔さん(高松工芸高校出身)
右:製造部機械加工課 マシニングセンタGr 植村 勇斗さん(津田高校出身)

新分野や新規製品に挑戦する過程で、課題克服のために試行錯誤することが技術やノウハウの蓄積となり、また人の成長にもつながる。森川ゲージ製作所は「どなんかするを誇りに どなんかできるを喜びに」という理念のもと、ものづくり人材の育成に注力してきた。高度熟練技能者をはじめ技能検定2級以上取得者など、多くの優秀な技術者が在籍している。

創業は、機械部品などの仕上がりサイズを検査するために、精密さが求められる「ゲージ」の製作。その技術が認められ、建設機械、舶用エンジン機器ほか様々な分野からの依頼が寄せられ、それらに挑戦していく中で技術を高めてきた。精度の高いものづくりを追求することは、結局のところ「原理原則」の追求と重なる。 そのため同社では、機械、金属など41種の分野で技能を競う「技能五輪」への出場や技能検定への挑戦を積極的にサポートし、基礎の定着を図っている。

入社後は経験の有無を問わず、先輩が基礎から技術を伝え、検定前にはともに勉強することも。合格すると手当があるほか、合格しなくても自身のスキルの把握や課題発見につながっているという。

会社では蓄積された高い技術をもとに、アンモニアを燃料とした次世代舶用エンジン部品の試作開発や自社製品開発も行っている。設備導入も進めながら新たな顧客・市場へのアプローチも目指している。

これまでに挑戦した検定などは。

櫛田 15年ほど前、入社してすぐ若年者が参加する「技能五輪」に出場しました。部品を磨いて組み立て、スムーズに動くように仕上げるのですが、競技時間が7時間だったので体力的にも大変だった記憶があります。出場前には、やすりでまっすぐ削りながら精度を上げていく練習をしたんですが、わからないところを教えてくださった先輩は、全然力を入れていないように見えて精度が高い!すごく勉強になりました。

植村 技能検定のほかに、機械検査の資格にも挑戦しています。本番でうまくいかなかったところを次はこうしてみようとか、今の自分の課題はここだという発見がありました。現在の業務で使っているマシニングセンタの検定は2級をもっているので、次は1級に挑戦したいと思っています。

ものづくりの魅力は。

植村 製品を安定的に加工・量産できるよう機械のプログラムを行う時は、どんな大きさ・素材の工具を使うか、切削速度はといった加工条件を自分で考えながら試行錯誤しています。1回でうまくいくことはありませんが、課題をクリアできると少しずつ自信になります。ゼロから形になっていくのを見ると、やっぱりものづくりは楽しいと実感します。

櫛田 ある程度まで機械で加工した部品を磨く業務も行っていますが、一つひとつの部品がきれいに仕上がっても組み立てるとうまくいかないこともあります。全体のバランスを考えるのが難しいですが、狙った寸法でビシッと仕上がると嬉しいですね。

キャリアアップについて。

数々の技能検定の認定書が並ぶ

数々の技能検定の認定書が並ぶ

植村 筆記が必要な検定もありますが、どちらかといえば苦手で……。先輩に教えてもらいながら勉強していますが、まだまだ自分には知識が足りないと感じます。次は、技能検定1級と機械検査の資格にも挑戦しようと思っています。

櫛田 検定を受けるのは強制ではないのですが、技能五輪に出場して以降もいくつかの検定や資格に挑戦しています。自分のスキルアップと同時に、今は後輩と一緒に勉強しながら、わからないことがあればアドバイスすることもあります。手で仕上げる作業は感覚の部分も大きいのですが、それをどう伝えればいいのか考えることで自分自身も基礎の見直しになっています。

検定や資格は合格したらそれで終わりではなく、常に課題をもって試行錯誤する。自分を教えてくださった先輩のそんな姿は格好いいですし、そうなれればと思っています。

◆キーワード


アップスキリング

現在の業務に活かすため、すでに持っている知識やスキルを磨いたり、新たなスキルを習得したりすること。業務の高度化や環境の変化に対応するため、企業が従業員の能力を再開発する仕組みづくりが求められている。そのメリットとして、従業員のモチベーションや仕事へのやりがいが高まり生産性向上、離職率の低下につながるほか、業務の効率化、イノベーションのきっかけになる、といったことがあげられる。

株式会社森川ゲージ製作所

設立
1955年
社員数
54名(男性48名、女性6名)
所在地
[本社・工場]〒761-0613
木田郡三木町上高岡432
[第2工場]〒761-0612
木田郡三木町氷上620
代表電話番号
087-898-1151
事業概要
精密機器、油圧・空圧・水圧機器、舶用エンジン機器

食品加工機械、セラミックス製品の設計・製造・販売
資本金
2,400万円
地図
URL
http://www.mg-w.co.jp/
確認日
2021.08.27

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