さて、4月ほど風景が大きく変わる季節はありません。「山笑う」と表現されるように、春になり植物は一気に芽吹き始めます。特に、春分(3月21日ごろ)から、立夏(5月5日ごろ)までの1カ月半の間に、野山の風景は、千代紙をめくるが如く、冬から、春、そして夏へと、目まぐるしく変化します。植物は、昼の長さや暖かさを感じ一斉に芽吹きます。この、植物の芽をいただくのが、タケノコや、アスパラガス、ワラビなどの春の野菜です。
この季節、山菜狩りやタケノコ掘りと、野山の春を実感できるイベントが開催されます。市場においても、4月に入り地場のタケノコが大量に出荷をされ始め、4月15日ごろからは瀬戸内海島しょ部のエンドウマメが、そして、5月に差し掛かるとソラマメや新玉ねぎなど、春から初夏の野菜が段階的に増え、店頭は春の活気であふれかえります。しかし、植物の芽吹きは、1年のうちで一瞬の出来事。この期間にしか味わうことのできない期間限定の味を、食べ逃さないようにお気を付けください。
【豆知識】季節の旬と味覚の旬
4月はトマトがおいしくなる季節。各産地の高糖度系のトマトが店頭をにぎわします。
野菜ソムリエ 上級プロ 末原 俊幸さん
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