今年は、そのうち「ミッション」に、5月白い房状の花が咲き、6月数ミリのかわいい実がつき、9月には1センチを超え、10月にエメラルド色の粒に、11月だんだんと黒紫色に、そして、晴れて11月22日に収穫の日を迎えた。
そこで、お約束の自家製エキストラバージンオイルを搾ることになる。ミッションは塩蔵、油用兼用で香川県の主要品種。含油率は15%から19%。期待がふくらむ。
まず、実を丁寧に洗い、ジッパー付きのビニール袋に入れる。袋は2枚重ねた方がいい。中の空気をできるだけ抜き、ジッパーをしめ、実を両手でゆっくりもんでいく。手のぬくもりが果肉に伝わり徐々にペースト状になっていく。約1時間その作業を続ける。
一方、2リットル入りのペットボトルを半分に切断。上の部分をろうととして、下の部分に差し込む。ろうと部分にはキッチンペーパーを巻いておく。そこにつぶした果肉を流し込む。
キッチンペーパーでこされた果汁がポタポタとボトルの底に落ちる。そのうち黄色に輝くオリーブオイルが層となって果汁の上に浮かんでくる。数時間後、溜まったオイルの層をスポイトで吸い取る。これぞ自家製バージンオイルの出来上がり。初めての。小さなガラス瓶に移す。美しい・・・。
まあ、そういうふうにいくはずだった。しかし、結果は、果汁の表面にオイルらしき膜が張っているよね、よく見ると。スポイトでも吸えない。わずかに指先でオイル感を味わうのが関の山。がっかりぽんだ。
県農業生産流通課でオリーブ振興担当のHさんに聞いてみた。「まあ、そんなもんですよ。特に今年は秋に雨が多かったから、色づきの割には果実中の油分が十分出来なくて、果汁がサラサラしていたでしょう。摘み取りも少し早かったですね」とのこと。
オリーブが日常の風景に溶け込み、各家庭でマイ新漬やマイ・オイルを作り、味わい、楽しむ。香川県人のソウルフード(郷土の食材、故郷の味)となる。それが私の夢だ。そのためにも、来年に向けまたオリーブを大切に育てていこうと思っている。乞うご期待を!
香川県教育委員会 教育長 工代 祐司
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