まにあう

人生の師匠からお教えいただいた言葉に、“まにあう”というものがあります。社会の中で必要とされるには“まにあう”人間にならなければいけないという教えです。何かにつけて思い出し、肝に銘じておくべき言葉として、いつも心に置くようにしています。

“まにあう”とは、役に立つ、十分足りる、遅れないという意味があり、どんな状況にも対処でき、きちんと期待以上のことをお返しできることだと理解しています。社会で必要とされないと仕事の声はかかりませんし、また社会の中の一員を担うこともできないでしょう。

少しでも“まにあう”ようになるために、大切なことは何でしょうか。たくさんあると思いますが、私が心掛けていることを、3つだけ挙げてみたいと思います。

まず一つ目は、気づくことだと思います。相手が求めるポイントを感じる力、表面的ではなく、本当に求めていること（もしかしたら相手自身も気づいていないこと）を、気づくことが大切だと思います。そこが違っていると誤った方向に行ってしまいますし、的確に物事を進めることが難しくなります。

次に、何度も重ねるということ。熟慮、熟考を重ねることによって、何度も確かめながら、お互いがさらにいい方向に進んでいけると思うのです。時には、ゴール地点がスタートから大きく外れたところだとしても、そこには何度も重ねた良い結果が生まれていると思います。

3つ目は、タイミングをはかることです。先走りすぎてもいけませんし、相手とのタイミングがずれてしまってもいい結果にはなかなかならないことが多いようです。何事にもタイミングはあるもので、例えば今考えていた人から電話がかかってきたり、会うはずもない場所で偶然会ったりすることがあります。不思議なご縁を感じるとともに、タイミングをはかることはとても大切だと思います。

社会の中で人生を送らせていただいている上で、必要とされ、役に立つことは、かけがえのない喜びです。まだまだ“まにあう”人間にはほど遠いですが、少しでも社会の一端を担えるように、今後も師匠からお教えいただいた言葉を大切にしていきたいと思っています。