
マンバ「高菜」の栽培風景
讃岐を代表する「ハレ」の郷土料理といえば「うどん」が挙げられますが、「ケ」の郷土料理の代表は「マンバのけんちゃん」(西讃では「おせっか」)をはずしては語れないでしょう。「マンバのけんちゃん」から讃岐の郷土料理を考えてみましょう。
郷土料理とは、その地域特有の素材や調理方法により成立した料理であり、全国各地に多様な文化が存在します。香川県にも多くの郷土料理が現存しており、現在もなお日常的に食べ続けられています。そして、その代表といえば「マンバのけんちゃん」をはずしては語れません。
そもそも「マンバ(西讃ではヒャッカ)」は讃岐での呼び名であり、一般的には高菜と呼ばれている野菜です。全国的には高菜を株で収穫して利用するのですが、香川県では大きくなった葉を順番に収穫し(掻く)、数枚の葉を束にするという独特の荷姿で出荷されます。掻いても掻いても次々と葉が出てくるのが「万葉」の語源と言われています。狭い農地を有効に活用する香川県の農業を象徴する野菜です。
このマンバを使った料理の代表が「マンバのけんちゃん」です。湯がいてあく抜きしたマンバを、油揚げや豆腐などと一緒に炒め煮し、しょうゆなどで味付けをします。香川県の西東に関わらず「マンバのけんちゃん」を連想すると、間違いなく同じ料理が思い浮かぶでしょう。でも、それぞれの家庭のレシピを細かに語り合うと、人(家庭)によりそのレシピが異なることに気付きます。
郷土料理としては「マンバのけんちゃん」という一つの料理なのですが、家庭料理としては、個々の家庭によりレシピが独自の進化を遂げ、「マンバのけんちゃん」という家庭料理群を作っています。
実は、素材であるマンバも品種が少しずつ変化しており、過去には「讃岐高菜」という品種が作付けされていたと言われていますが、現在は日本における高菜の主要品種である「三池高菜」がマンバとして作付けされています。
また、調理器具の進歩、調味料や時代の変化に合わせた味付けなど、「マンバのけんちゃん」は讃岐の家庭料理として日々進化を続けています。
讃岐の郷土料理は、家庭や時代の流れにより独自に変化し続けていますが、過去から受け継がれているコンセプトは変わることがありません。これこそが、讃岐の食文化の力強さと豊かさの源であると感じます。
郷土料理とは、その地域特有の素材や調理方法により成立した料理であり、全国各地に多様な文化が存在します。香川県にも多くの郷土料理が現存しており、現在もなお日常的に食べ続けられています。そして、その代表といえば「マンバのけんちゃん」をはずしては語れません。
そもそも「マンバ(西讃ではヒャッカ)」は讃岐での呼び名であり、一般的には高菜と呼ばれている野菜です。全国的には高菜を株で収穫して利用するのですが、香川県では大きくなった葉を順番に収穫し(掻く)、数枚の葉を束にするという独特の荷姿で出荷されます。掻いても掻いても次々と葉が出てくるのが「万葉」の語源と言われています。狭い農地を有効に活用する香川県の農業を象徴する野菜です。
このマンバを使った料理の代表が「マンバのけんちゃん」です。湯がいてあく抜きしたマンバを、油揚げや豆腐などと一緒に炒め煮し、しょうゆなどで味付けをします。香川県の西東に関わらず「マンバのけんちゃん」を連想すると、間違いなく同じ料理が思い浮かぶでしょう。でも、それぞれの家庭のレシピを細かに語り合うと、人(家庭)によりそのレシピが異なることに気付きます。
郷土料理としては「マンバのけんちゃん」という一つの料理なのですが、家庭料理としては、個々の家庭によりレシピが独自の進化を遂げ、「マンバのけんちゃん」という家庭料理群を作っています。
実は、素材であるマンバも品種が少しずつ変化しており、過去には「讃岐高菜」という品種が作付けされていたと言われていますが、現在は日本における高菜の主要品種である「三池高菜」がマンバとして作付けされています。
また、調理器具の進歩、調味料や時代の変化に合わせた味付けなど、「マンバのけんちゃん」は讃岐の家庭料理として日々進化を続けています。
讃岐の郷土料理は、家庭や時代の流れにより独自に変化し続けていますが、過去から受け継がれているコンセプトは変わることがありません。これこそが、讃岐の食文化の力強さと豊かさの源であると感じます。
マンバのけんちゃん(おせっか)

(写真提供:香川県農業経営課)
「マンバのけんちゃん」はマンバ料理の代表であり、また「マンバのけんちゃん」の濃厚な味はマンバが無くては出すことができません。身の回りにある素材で簡単に作れて、味付けも失敗しにくくて美味しい、まさに讃岐の郷土料理の王様ともいえる存在です。
一般的に、マンバは下茹でした後、一晩水につけてあく抜きをする必要があるように思われていますが、現在の品種は湯がいてすぐに料理に使うことができます。家に帰ると湯がいたマンバの香りが漂うというエピソードは、讃岐の冬の風物詩でもあります。
一般的に、マンバは下茹でした後、一晩水につけてあく抜きをする必要があるように思われていますが、現在の品種は湯がいてすぐに料理に使うことができます。家に帰ると湯がいたマンバの香りが漂うというエピソードは、讃岐の冬の風物詩でもあります。
野菜ソムリエ 上級プロ 末原 俊幸さん
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