バカにされるくらいじゃないと 新しいものは生み出せない

株式会社 新閃力 代表取締役社長 尾崎 えり子

column

2017.12.21

私は幼い頃からバカにされることに慣れていた。失敗することにも慣れていた。人と違うことをして笑われるのにも慣れていた。

クラス委員も生徒会長も自分で立候補し、何度も落ちた。自分の1票しか入らない時だってあった。好きな子への告白も自分からだった。9割は振られた。でも、失敗はつきものだから何度でもチャレンジすればいい、と思っていた。

今振り返ると、この経験は私が「新事業」を生み出すための強い土台となってくれた。

新しい事業を立ち上げる時は必ずといっていいほど「うまくいくはずがない」と言われる。シェアサテライトオフィス「Trist」を作った時もそうだった。「大手企業や自治体が立派なオフィスを作る中で、勝てるはずがない」「テレワーク(注)も難しければ、子育てでブランクのあるお母さんたちの復職も難しい」。過去の常識から考えるとそうかもしれない。

でも、想定できる過去の延長にイノベーションなど起こらない。人材不足の今、流山市の母親たちが優秀だというブランディングができれば、こぞって企業が声をかけてくるはず。豪華なオフィスより優秀な人を育てることこそがカギだ。そのためにマイクロソフトに協力を仰ぎ、無償で街の方々にテレワークのための教育を行った。結果、1年で7社27人がTristで働き始め、すでに満員。2拠点目の計画を進めている。

新しいことは、うまくいくかいかないかで判断するべきではない。自分がワクワクするかどうか。ワクワクすればアイデアはいくらでも湧いてくる。

はじめ、バカにされている方がむしろやりやすい。「できないだろ」と思われているほど、それを覆したときのインパクトが強く、メディアもお客様も集まる。安定したビジネスを作り出す一歩目は、笑われバカにされるリスクを取れるか。一度きりの人生。笑われてもバカにされても、やりたいことに出会えたら幸せだと思う。

※注)勤務先のオフィス以外の場所で、パソコンなどを使って仕事をすること

株式会社 新閃力 代表取締役社長 尾崎 えり子

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株式会社 新閃力 代表取締役社長 尾崎 えり子

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