“新しいコトを作り出す”のは、 最高におもしろい

株式会社新閃力 代表取締役社長 尾崎 えり子さん

Interview

2018.01.04

「新閃力」(千葉県流山市)の“社員”は尾崎えり子さん(34)のみ。コンサルタントとして企業や自治体と企画段階から一緒に考え、その時々で必要な人材とチームを組んで事業を行うスタイルだ。例えば、予備校を経営する会社の新規事業として「学童保育」をプロデュース、大手食品会社の「新商品開発」、先輩たちの「失敗」から学ぶ女性創業スクールの支援など。

自ら出資した事業としては、シェアサテライトオフィス(※注)「Trist(トリスト)」の開設・運営がある。
小学生から大学生までキャリア教育を行う

小学生から大学生までキャリア教育を行う

故郷・香川を飛び出し、少年犯罪を扱う弁護士を目指していた大学生の頃、法の下で更生させれば少年たちは人生をやり直せると思っていた。しかし、同じ家庭環境や地域に戻ったらまた犯罪に手を染めて少年院に戻ってくるケースが多いという現実を知る。「彼らや母親たちに今の環境から逃げ出す力=“稼ぐ力”をつけないと、更生は難しいのかもしれない。社会を知らない私が彼らを救いたいなんて傲慢だった」
子どものキャリア観に影響を与える母親の 「教育」もポイント

子どものキャリア観に影響を与える母親の
「教育」もポイント

これが自身の進路を変えた。「稼ぐ力が必要と言っている私が実践できていないと説得力がない」からと経営コンサルタント会社に就職。中小企業の経営者と組織の話をし、大手企業のIRなどに携わることで「ビジネス(稼ぐ)とはどういうことか」を勉強した。結婚を機に転職、すぐ子会社の設立を任され、会社をゼロから作る経験をした。第二子出産後に退職し、「新閃力」を立ち上げた。
子どもの頃は「幼稚園でも学芸会のお姫様に選ばれないし、勉強もできるわけじゃない」。自分より優秀な人がたくさんいる中でどうすれば埋もれないのか、居場所が見つかるのか。その答えが「人と違うこと、新しいことをする」だった。学ランを着て応援団長を務める、生徒会長になって「マフラー禁止」の校則を変えようとするなど、周りから「変な人」と思われることも多々あった。しかし、全国から生徒会長が集まるフォーラムに参加して、自分よりずっと“変わっている人達”と出会い、自分に自信が持てたと言う。

だから今でも、依頼を受けるかどうかの基準は、固定概念や既存の考え方と戦って「新しい価値を作る」仕事かどうか。前出の民間学童保育は、子どもたちと会社を立ち上げ、その利益でおもちゃを買うという試みにチャレンジ。「社会で稼ぐこと、失敗すること」を経験する場にもなっている。

「今の日本で新しいものを生み出すには、今まで“戦力外”とされていた子どもや休職中のお母さん、シニアの視点を生かすことしかないと思うんです」。今後は、学校で学んだことが社会とどうつながるのかを子どもたちに伝える仕事がしたいと言う尾崎さん。そのために世界のいろんな教育方法を勉強したい、と目を輝かせる。(石川 恭子)

※注・サテライト(企業の本社以外の場所にあるオフィス)+シェア(複数の会社が一つのオフィスを共有すること)の両方の役割をもつオフィスのこと。
Tristがあれば、都心の本社に通勤しなくても自分のスキルを生かして女性たちが働ける

尾崎 えり子 | おざき えりこ

1983年 丸亀市生まれ
2002年 丸亀高校 卒業
2006年 早稲田大学法学部 卒業
    経営コンサルティング会社 入社
2011年 教育関連会社に転職
    執行役員として子会社設立にかかわる
2014年 株式会社 新閃力立ち上げ
2016年 千葉県元気印企業大賞、創業ベンチャー賞
2017年 WORK STORY AWARD2017
※千葉県流山市、埼玉県吉川市、佐賀県、福岡県大野城市、長野県上田市など行政依頼の講演多数
写真
尾崎 えり子 | おざき えりこ

株式会社新閃力

所在地
千葉県流山市南流山2-20-1
事業概要
新規事業コンサルティング
シェアサテライトオフィス運営
資本金
100万円
地図
URL
http://shinsenryoku.com/
確認日
2018.01.04

記事一覧

おすすめ記事

メールマガジン登録
メールマガジン登録
ビジネス香川Facebookページ