体を支えて検査を快適に 内視鏡検査用下肢保持具「ささL」

アースフルコーディネーション

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2018.11.15

ささLの使用時

ささLの使用時

アースフルコーディネーション(高松市)は、医療・福祉・健康器具を製造している。代表取締役の西岡美彦さんは、特別養護老人ホームや、医療・福祉用品を扱う会社で働いた経験を持つ。

仕事の中で、ふとんで床ずれに悩む人とたくさん出会った。体に触れる寝具について「現場が求めるものを提供したい」と考え、2004年に独立。高反発素材のラテックスフォームに着目し、商品開発を行ってきた。

主力商品であるラテックスフォームを使ったマットレスは、独自の設計で体圧を分散し、床ずれを予防できるという。病院のベッドや手術台に導入されている。
内視鏡検査用下肢保持具「ささL」

内視鏡検査用下肢保持具「ささL」

今夏発売したのが、内視鏡検査用下肢保持具「ささL(エル)」だ。手術用のマットレスと枕の納入実績があった九州大学病院と共同開発した。

大腸などを肛門から内視鏡で検査する際、患者は鎮静剤で脱力している。内視鏡の操作を妨げないよう、看護師や医師が患者の膝を立てる必要があるが、長時間支えるのは難しい。検査時間は、20分程度から長ければ数時間に及ぶことも。

同病院では、タオルを折りたたんでL字型につなげ、姿勢の保持具として使っていた。これを製品にできないかとの相談を受けた西岡さんは、すぐに引き受けた。

ささLにもラテックスフォームを使うことにした。マットレスと同様に体圧を分散し、同じ姿勢を取り続けることによる痛みや疲労を軽減できる。「患者さんが体を預けるものなので、絶対に滑らないように」と、取り外しできるカバーの裏面は強力な滑り止め加工を施したノンスリップレザーを使っている。

西岡さんは「製品は現時点ではもちろん最高の出来ですが、さらに改良できないか突き詰めていきたい」と話す。

今年6月、九州で行われた内視鏡技師の研究会でささLが紹介されると、問い合わせが相次いだ。9月には四国の学会でも展示すると、デモンストレーションの依頼が80件も寄せられたという。

「お医者さんのためにも患者さんのためにも、ささLを役立ててほしい」と西岡さん。ささLは医療・福祉器具の販売店で購入できる。価格は4万7千円(税別)。


【問い合わせ】
アースフルコーディネーション
高松市香川町川東上1425-2
TEL:087-815-8505

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