
80台の配送車が県内中を毎日走る
2008年に会社を引き継いだ代表取締役の桑嶋貴史さん(45)は「食材にこだわった高級な料理を強みにしている会社もあります。でも、中央の強みは『お求めやすいお弁当を大量に作れる』ところです」と話す。
1963年に桑嶋さんの父が、くじらカツの製造・販売で創業。惣菜、弁当、仕出し、企業や学校の食堂運営などで会社を大きくしてきた。

品質管理室
子どもの頃、朝早くから働く両親の姿を見ていた。一緒に過ごす時間が少ないことを寂しく感じていたが、製造に携わると、両親はこういう仕事をして自分を育ててくれたんだと感謝の気持ちが湧いた。
営業なども経験し、社長に就任。何よりも品質管理を優先する。検査専門のスタッフが常駐する品質管理室では、食材の抜き打ち検査のほか、冷蔵や加熱など調理の手順が守られているかを細かく確認する。
一つの大きな出来事が、管理室設置のきっかけになった。2010年8月、提供した料理で食中毒を起こしてしまった。「被害に遭われた方への謝罪と、顧客・取引先への説明にみんなで走りました。落ち込む従業員の姿を見て、社長になって2年、自分は何をしていたんだろうと反省しました」
ここから立ち上がるためにどうやっていくのか、従業員たちと話し合った。「お弁当を買う時に『安全だから』という理由で買う人はいません。味や値段、見栄えが決め手になりますが、それは食品が安全であることが当たり前だからなんですよね」
現在は食品衛生管理の国際基準であるHACCP(ハサップ)導入に向けて、準備を進めている。

500円の弁当から2万円のおせちまで
多数の商品を取りそろえる
写真はイベント用の弁当として人気の
「なごみ御膳」900円(税込)
産休・育休の制度は元々あったが、出産後、子どもの預け先が決まらずになかなか職場復帰できない従業員がいた。そこで2018年4月、福祉施設、病院と連携した「くじらの杜保育園」をつくった。0~2歳児が入所でき、定員は12人。従業員の子どもと地域の子どもを6人ずつ受け入れる。「本社から近いので、昼休みに顔を見に行くこともできます」
会社で起きる良いことは従業員のおかげ、悪いことは社長の責任だと考えている。「どうすれば従業員が幸せに働けるのか、どんな会社であるべきなのかを一番に考えたい」
鎌田 佳子
桑嶋 貴史 | くわじま たかし
- 1973年 高松市生まれ
1991年 高松東高校 卒業
1992年 新宿調理師専門学校 卒業
アメリカでの生活を経て
1998年 帝京大学 卒業
1999年 株式会社 中央 入社
2008年 代表取締役 就任
株式会社中央
- 住所
- 香川県高松市松縄町1132-13
- 代表電話番号
- 087-866-1181
- 設立
- 昭和38年2月
- 社員数
- 453人(正社員・パート社員含む 2018年1月現在)
- 事業内容
- 企業・幼児・高齢者施設給食、高齢者宅配弁当、仕出し・ケータリングなど
- 地図
- URL
- http://www.kk-chuoh.co.jp/
- 確認日
- 2019.01.17
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