尽きない探求心が
おいしさの源

だいや食品 専務取締役 高橋 登美子さん

Interview

2019.02.07

昨年10月に発売した「大粒包味肉餃子(おおつぶつつみにくぎょうざ)」を手に

昨年10月に発売した「大粒包味肉餃子(おおつぶつつみにくぎょうざ)」を手に

冷凍食品を製造・販売するだいや食品(観音寺市)は「純生ぎょうざ」が看板商品だ。キャベツ、ニラ、ショウガ、豚肉など材料は国産にこだわる。

いったん加熱することなく冷凍しているため「生」と付けた。その方が、具の野菜の食感がいいという。皮はうどん生地を使用。こねてねかせて足踏みをして、さぬきうどんと同じ製法で作る。一般的なぎょうざの皮よりも水分が多く、もちもちとする。多い時で、一日5千個のぎょうざを作っている。
「純生ぎょうざ」は県内のスーパーで購入できる

「純生ぎょうざ」は県内のスーパーで購入できる

「食べ物のおいしさはごまかしがきかない。また食べたいと思ってもらうにはどうすればいいか、常に考えています」と、専務取締役の高橋登美子さん(70)。だいや食品は登美子さんと夫の志郎さん(71)が1988年に設立。30年たっても探究心が薄れることはない。

志郎さんはもともと県内の菓子メーカーに勤務する会社員だった。脱サラして、登美子さんとうどん店をオープン。フランチャイズだったため、本部との契約満了になる10年を区切りに店をたたんだ。自分たちだけで何ができるかを考えて浮かんだのが、うどん店の夜メニューとして人気だった手作りぎょうざだ。

ぎょうざに加えてハンバーグや中華丼の具なども製造・冷凍して販売。商品を置いてもらうために四国中のスーパーマーケットを回り、店頭での試食販売に力を入れてきた。買い物客からの「おいしい」を聞くのが、何よりうれしい。「奇をてらったものは売れません。多くの人になじみがあるものに、ひと手間かけていかにおいしくできるかが大事です」。手作りから始めて、生産量の増加に伴い機械を導入。工場も拡張した。

あるスーパーに店頭で焼きたてのぎょうざを販売することを提案した時は、その店でぎょうざが前年に比べて65%多く売れて表彰された。また別のスーパーでは、買い物客から賞味期限の表示が小さいとの指摘を受け、1週間以内にラベルを貼り直して納品した。すぐに対応したことで感謝状をもらった。

「家よりも工場にいる方が好き。仕事を好きにならないと一生懸命にできないと思う。考えるだけで終わらずに、実行に移すことを意識しています」
栗林庵での試食販売

栗林庵での試食販売

昨年10月に純生ぎょうざシリーズの新商品「大粒包味肉餃子」を発売。香川県産のオリーブ豚と九条ネギを使っている。大きめに切ったネギの食感と、甘みのある豚肉が特徴だ。県内では、栗林庵や高松三越などで販売している。

「うちの作り方を自分だけの秘密にしておこうとは思っていません」。登美子さんは自分の持つノウハウを、何度となく他社の食品メーカーに指導してきた。県外にも出向き、乞われれば、惜しみなく技術を教える。「私も分からないことは人に教えてもらってきました」

月に1度は料理教室に通う。「今まで知らなかった野菜の切り方や、こんな調味料があるんだとか学ぶことはまだまだあります。これからも貪欲に勉強して、お客様に安全・安心・健康でおいしいものを届けたい」

鎌田 佳子

有限会社だいや食品

住所
香川県観音寺市木之郷町756
代表電話番号
0875-27-6588
設立
1980年
社員数
14人(パート含む)
事業内容
冷凍食品の製造・販売
地図
URL
http://www.daiya-foods.co.jp/
確認日
2019.02.07

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