
昨年10月に発売した「大粒包味肉餃子(おおつぶつつみにくぎょうざ)」を手に
いったん加熱することなく冷凍しているため「生」と付けた。その方が、具の野菜の食感がいいという。皮はうどん生地を使用。こねてねかせて足踏みをして、さぬきうどんと同じ製法で作る。一般的なぎょうざの皮よりも水分が多く、もちもちとする。多い時で、一日5千個のぎょうざを作っている。

「純生ぎょうざ」は県内のスーパーで購入できる
志郎さんはもともと県内の菓子メーカーに勤務する会社員だった。脱サラして、登美子さんとうどん店をオープン。フランチャイズだったため、本部との契約満了になる10年を区切りに店をたたんだ。自分たちだけで何ができるかを考えて浮かんだのが、うどん店の夜メニューとして人気だった手作りぎょうざだ。
ぎょうざに加えてハンバーグや中華丼の具なども製造・冷凍して販売。商品を置いてもらうために四国中のスーパーマーケットを回り、店頭での試食販売に力を入れてきた。買い物客からの「おいしい」を聞くのが、何よりうれしい。「奇をてらったものは売れません。多くの人になじみがあるものに、ひと手間かけていかにおいしくできるかが大事です」。手作りから始めて、生産量の増加に伴い機械を導入。工場も拡張した。
あるスーパーに店頭で焼きたてのぎょうざを販売することを提案した時は、その店でぎょうざが前年に比べて65%多く売れて表彰された。また別のスーパーでは、買い物客から賞味期限の表示が小さいとの指摘を受け、1週間以内にラベルを貼り直して納品した。すぐに対応したことで感謝状をもらった。
「家よりも工場にいる方が好き。仕事を好きにならないと一生懸命にできないと思う。考えるだけで終わらずに、実行に移すことを意識しています」

栗林庵での試食販売
「うちの作り方を自分だけの秘密にしておこうとは思っていません」。登美子さんは自分の持つノウハウを、何度となく他社の食品メーカーに指導してきた。県外にも出向き、乞われれば、惜しみなく技術を教える。「私も分からないことは人に教えてもらってきました」
月に1度は料理教室に通う。「今まで知らなかった野菜の切り方や、こんな調味料があるんだとか学ぶことはまだまだあります。これからも貪欲に勉強して、お客様に安全・安心・健康でおいしいものを届けたい」
鎌田 佳子
有限会社だいや食品
- 住所
- 香川県観音寺市木之郷町756
- 代表電話番号
- 0875-27-6588
- 設立
- 1980年
- 社員数
- 14人(パート含む)
- 事業内容
- 冷凍食品の製造・販売
- 地図
- URL
- http://www.daiya-foods.co.jp/
- 確認日
- 2019.02.07
おすすめ記事
-
2019.08.08
女性が活躍する建設現場を見学
日本建設業連合会
-
2017.02.02
目には見えない感謝の気持ちを大切に
EBiSU 取締役 西村 周子さん
-
2017.07.20
しなやかに強く美しく
女優 うどん県副知事 木内 晶子さん
-
2017.11.02
お客さんとの出会いは一期一会の気持ちで
日本政策金融公庫 高松支店 支店長 和田 めぐみさん
-
2019.01.17
働く後輩たちを
厳しく、やさしく応援高松商工会議所女性会 会長 岩﨑敬子さん
-
2018.09.20
6割の1,563社で女性役員がゼロ
上場企業2,375社「女性役員比率」調査 東京商工リサーチ
-
2016.08.04
女性が活躍できる 社会の実現へ
香川経済同友会 代表幹事 竹内 麗子さん
-
2021.02.18
MAiZM支援で高専生が起業
(一社)みとよAI社会推進機構MAiZM(マイズム)
-
2021.02.04
社会との接点を軸にして「大学の『知』を魅力ある財産に!」
香川大学 産学連携・知的財産センター センター長 永冨太一さん
-
2021.01.21
高齢者が自由に暮らせるコミュニティをつくる
あおば内科クリニック 院長 辻上幸司さん
-
2020.12.17
自分に何ができる?「存在意義」が出発点
ストロングポイント 代表取締役社長 加賀隼人さん