愛車の四駆で山、川、海へ

水資源機構 関西吉野川支社 吉野川本部長 柳川 晃さん

Interview

2016.05.19

広島県大竹市出身。父が材木店を営んでいたため伐採、植林、枝打ち、下草刈りなど家業の手伝いをよくした。向かいに宮島が見える地元では、川で泳いだり釣りをしたり、子供の頃から山と川が遊び場だった。現在の趣味は釣りとドライブ。「結局山と川が好きなんですよね」。大学で土木工学を学び、ダムや水路の建設に携わりたいと水資源開発公団(現・水資源機構)に就職した。

岐阜で水瓶造り

2000年から04年まで岐阜県揖斐川町の徳山ダム建設に携わった。この時の経験が物の考え方や人生に大きく影響していると言う。徳山ダムは高さ161m、貯水量6.6億立方mで、貯水容量日本一の大きなダムだ。計画スタートから竣工まで約50年かかった。柳川さんは建設所の副所長を務め、地域住民などからの厳しい疑問・質問に応えつつ叱咤激励を受けた。水のストック、ダムの必要性など説明責任を果たしながら、工事を期間内に安全に進めることに注力した。

「地元の方が『村が水に沈んだのではなく、村の地に水を浮かべるんです』とおっしゃっていたのが印象的です」。大事な土地の上に水を浮かべ、将来のストックにさせてもらうのだと気が引き締まった。ダムが完成したのは08年。転勤後だったが竣工式に訪れた。完成した喜びもあったが、いろんな思いが混じった不思議な感情だった。

趣味の釣りはキャッチ&イート

愛車の四駆をまめに点検・修理しながら16年ほど乗り続け、走行距離が51万kmを突破した。トランクに釣りの道具を詰め込んで、山、川、海へと出掛ける。「四国は吉野川をはじめ四万十川など良い川がたくさんあるので楽しみですね」

本を読んだりビデオを見たり、上手な人の隣について教えてもらったりと、技術の習得には余念がない。「同じ場所に通っていると漁師さんや船頭さんが『今釣れるから来い』と教えてくれるんですね。人間関係の大切さは趣味でも仕事でも同じですね」

釣った魚をおいしく食べる「キャッチ&イート」が基本だ。「魚は自分でさばきます。鱗を取っておろして冷凍庫へ。そうすると妻も料理していつの間にか食べてくれます」と笑う。

人生楽しくがモットー

「モットーは明るく楽しく元気よく。人生楽しくないと。それが大事じゃないかな」。メールで済ませてしまうことが多い時代だからこそ、顔を直接合わせるあいさつを大切にしている。「できるだけ先にあいさつすること。相手に言われてからするのは返事で、こちらからするのがあいさつだよと職場でも言っています」

気象の変化に対応

吉野川本部では、四国の水瓶早明浦ダムや香川用水を中心に施設の運用・管理をしている。その水は四国4県の生活用水・農業用水・工業用水に供給されている。本部長として安定的な水の供給と防災対策に努める。

「皆さんの社会生活に心配がないよう普段の水利用や洪水など防災についてきめ細かい管理をすることが責務。質の良い水を無駄なくお届けしたい。今も大事ですが、ダムや水路施設はこれから先もずっと使っていくもの。次の世代に自信をもって引き継げるよう点検・改修も行いたい」

ダムや水路などはその時代に応じて、気象の変化に対応した管理や使い方が必要だと考える。「香川の皆さんは満濃池などの多くのため池に手を入れながら長年知恵を出し合い使ってこられました。時代に合ったものにしつつ大事にしてきたわけですよね。そういう形が理想的ですね」

柳川 晃 | やながわ あきら

略歴
1958年 9月 広島県大竹市生まれ
1981年 3月 山口大学工学部 卒業
1981年 4月 水資源開発公団(現・水資源機構) 入社
1995年 4月 長良川河口堰管理所 管理課長
2000年 4月 徳山ダム建設所 副所長
2004年 7月 一庫ダム管理所 所長
2014年 4月 本社経営企画本部 技術管理室長
2016年 4月 関西・吉野川支社 吉野川本部長

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