「ああ~ 川の流れのように」

四国なんでも88箇所巡礼推進協議会会長 佐藤 哲也

column

2019.03.07

小6の時にアポロ11号が月に降りたのを見て、大人になる頃には月も火星も遙かに越えて宇宙に飛び出せると夢見ていましたが、あにはからんや還暦近くなるのに人類はそのまんまです。

かたや購入6年目になろうとする私の愛車のオドメーターが先週18万㎞を越えました。地球一周が約4万㎞ですので4周半というところで、おかげさまでエンジンはますます快調です。同じ車種の先代車も10年間乗って32万㎞でエンジンが再起不能になりました。光の速さが秒速約30万㎞ですので、走破距離は1光年ならぬ1光秒というところです。

大人になったら宇宙どころか、こんな狭い四国の中を天文学的尺度でちょこまかと走りまわっております(笑)。犬も歩けば棒に当たるように、人間もいくところいくところに首を突っ込んでおりますと、いろいろなものを見ていろいろな人に出会っていろいろな経験をします。

宇宙旅行をしなくとも、こんな四国でもより深く掘り下げていけば必ずどこかに到達します。昨日はアメリカ、今日は中国、明日はインドやアフリカと、新しい狩り場を求め歩かなくとも、また、全国各地を旅人のように移住を繰り返さなくとも、腰を落ち着けたひとつの地域で、切り口の角度を変えて鉈(なた)を振るえば、新しい景色を無限に見つけ続けることができます。

若い人達が向上心をもって世界に羽ばたくのは素晴らしいことで、どんどん外に出て行くべきだと思います。しかし、どこにいけどもその土地で根を張り子孫をつくり長く住めば、そこで育てた子供達もまた同じようにそこから巣立つでしょう。植物の種子が風や波に乗り、他の生き物に運ばれたりして各地に拡がり続けていくように、人類永劫の営みも同じ事だと思います。

そう考えるとこの四国も、今は人口が流出していく時期かもわかりませんが、何世代か先には、逆に外から、世界中から、自然に人が移り住むようになる時代がくるかもわかりません。

私たちはその頃にはとうに土の中でしょうが、生きているうちに、この狭い狭い地域をもっとちょこまかと走りまわって、何世代か先にこの土地に住む人達のためによりよいものを残していくことが使命かもと思います。旅に病んでいずれ肉体は朽ち果てるでしょうが、そのときでも夢は枯れ野を駆け巡っております。

四国なんでも88箇所 巡礼推進協議会会長 佐藤 哲也

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