
チシャもみ
季節の変化に合わせて、店頭に並ぶ野菜のラインアップも大きく変わります。アブラナ科の野菜に代わり存在感を増すのが、タケノコ、アスパラガスなど、春を迎えて成長する植物の芽をいただく野菜です。
そして、もう一つがレタスです。レタスと言えば、丸くなった「玉レタス」を連想しますが、日本で古来より食べられてきたレタスは「チシャ」と呼ばれる、現在のリーフレタスに似た形状の野菜でした。
香川県でのレタス栽培のトレンドは大きく変わってきており、昭和40年代以降(1965年~)は玉レタスの栽培面積が拡大し、香川県は冬場のレタス栽培の大産地となりました。大阪万博(1970年)のころ、夜なべでレタスを出荷して、レタス御殿が建ったという話も伝わります。
平成に入ってからは「ロメインレタス」の生産面積が拡大し、現在、県外出荷するための主力野菜の一つとして頭角を現してきています。一方で、生活に密着していた「チシャ」は年々減少し、21世紀に入ると、市場流通から抜け落ちてしまい、今では絶滅したと考えられています。
さて、このチシャを使った郷土料理に、春の小鉢料理の定番「チシャもみ」があります。現在「チシャ」が入手できないので、一般的に手に入る野菜で過去の料理に近い味を出せるのは「サンチュ」であると言われます。ただ、当時の味を知る人は、春の野菜独特のほろ苦さが特徴の料理だったとチシャもみを表現しますが、その味を体験することは困難になっています。
野菜ソムリエ 上級プロ 末原 俊幸さん
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