端末 ちょっと工夫し 話題の葉っぱビジネスに提案

NTTドコモ四国支社 法人営業部長 田中 啓二さん

Interview

2012.12.20

「葉っぱの町」として全国に知られる徳島県上勝町。ナンテンの葉や実、モミジ、笹の葉……日本料理を美しく見せる季節の木の葉や花や実を採集したり栽培したりして販売する会社「いろどり」。おじいちゃん、おばあちゃんがパソコンを使い受注して生産してきた。タブレット端末を使って山の中でも注文を受けられるようにしたシステムを提案した。昨年、実証実験をした結果、今夏から90歳のおばあちゃんまでいる主な生産者約50人がタブレットを携帯して材料を採集し出荷するようになった。いろどり社長の横石知二さんにアイデアを出し、端末を高齢者でも利用しやすく改良、横石さんと協力しながら成功に結びつけた。

印象派の絵画大好き

自分を「ちょっと変」というアイデアマンの力の源は美術鑑賞にある。

高校生のころ、アルバイトして貯めたお金を握りしめ、地元徳島県阿南市から岡山県倉敷市の大原美術館に行った。モネの名作「睡蓮(すいれん)」が心をとらえた。暇さえあれば、美術館に行くようになった。

NTT営業社員として徳島市にいた1992年から6年間、文化の森総合公園の図書館システム運用・保守要員として文化の森に詰めたことがある。文化の森には、近代美術館があり、しばしば訪ねて絵画に触れた。香川県では丸亀市猪熊弦一郎現代美術館、坂出の県立東山魁夷せとうち美術館、牟礼のイサム・ノグチ庭園美術館が好きだ。直島の地中美術館にもよく行く。「睡蓮」が常設展示されているからだ。

今夏、NTTグループの移動通信視察旅行でミュンヘン(ドイツ)、ウィーン(オーストリア)、プラハ(チェコ)、ブダペスト(ハンガリー)、ザグレブとドブロブニク(クロアチア)を訪問した。仕事オンリーの旅行だったため、美術館には寄れなかった。

「惜しいことをした。リタイアしたら、パリのオルセー美術館などヨーロッパの印象派絵画を見て回りたい」

衛星携帯に自治体注目

NTTドコモ四国支社は翼下に愛媛、徳島、高知支店があり、それぞれに法人営業部がある。お客様は企業。社内の内線としても使われる携帯も増えた。社内交換機にドコモネットワークを接続することで、業務を効率化する。通信コストの節約にもなる。

四国では南海大地震の不安が広がる。通信が途絶しにくい衛星携帯電話に自治体の注目が集まる。NTTドコモ自前の衛星が軌道上にあるからだ。病院、防災関係機関の需要が増えている。

四国4県のほぼ全ての自治体がエリアメールを採用した。「無料にしたため収益には結びつきませんが、携帯事業には公益性がありますから」と精力的に動き、法人営業部は多忙をきわめている。

田中 啓二 | たなか けいじ

略歴
1959年5月15日 徳島県生まれ
2000年4月 NTT西日本からNTTドコモ四国(当時)
       徳島支店に転籍
2003年4月 ドコモサービス四国営業推進部担当課長
2006年4月 NTTドコモ四国(当時)
      香川支店法人営業部担当課長
2009年4月 NTTドコモ四国支社徳島支店法人営業部長
2011年7月 NTTドコモ四国支社法人営業部長

記事一覧

おすすめ記事

メールマガジン登録
メールマガジン登録
ビジネス香川Facebookページ