高齢者のニーズに応え、女性の活躍を推進

シルバーサポートタクシー事業 平成レッグス

Topic

2019.04.18

シルバーサポートタクシー(SST)とSSTドライバー。後ろに写っているのが、さくらの杜保育園

シルバーサポートタクシー(SST)とSSTドライバー。後ろに写っているのが、さくらの杜保育園

平成レッグス(高松市)は、女性ドライバーの養成とタクシーでの高齢者の外出支援に取り組んでいる。

同社は1963年に運輸業として創業し、高松市西部を中心にタクシーを走らせてきた。ドライバーが不足しているうえに高齢化も進み、新たな人材の確保が課題だった。

代表取締役社長の住谷幸伸さんは「人材不足はタクシー業界全体の課題。他県も視察して、子育て中などで働きたくても働けない女性を採用する方法はないか、考えました」と話す。

2016年1月に、利用者にアンケート調査を実施。約9割の人が女性ドライバーの誕生を歓迎していた。求める新サービスとして、買い物などの手伝いの希望が多く、地域住民の高齢化もうかがえた。

16年4月にシルバーサポートタクシー(SST)事業部を設置し、17年1月からサービスを開始。目的地への移動だけでなく、買い物、病院、図書館への同行や手続きなどの代行も行う。料金は通常のタクシーの運賃に加えて、時間ごとにサポート料がかかる。

ドライバーが運転しやすいように、SSTにはコンパクトカーを採用した。ユニバーサルドライバー(UD)研修で、高齢者の移動や接客技術を身に付けたドライバーが乗務している。

SSTのサービス開始と同時に、社屋の隣に託児施設「さくらの杜保育園」を設置し、子育て中の女性も働きやすい環境を整えた。さくらの杜保育園は、香川県で初めての企業主導型保育事業となった。0~2歳児が対象で、定員は12名。従業員だけでなく、地域の子どもたちも受け入れる。

「タクシーは『ドアtoドア』『個別対応』など、ほかの公共交通にはないポテンシャルがあります。高齢化が進む中で、高齢者のニーズに的確に応えるのが我々の使命だと考えています」と住谷さん。

平成レッグスには現在、女性3名、男性15名のドライバーが所属している。「企業は、従業員が働き続けられる環境をつくらなければなりません。時代の流れに応じてスクラップ&ビルドをしていく必要がある」とも話し、高齢者の利用が少ない昼間の時間帯は、観光地を巡るインバウンド客向けのサービスも行っている。ドライバー向けの英会話教室も開催し「売り手によし、買い手によし、世間によし」の「三方よし」の事業をこれからも続けていきたいという。

平成レッグス株式会社

住所
香川県高松市郷東町117
代表電話番号
087-881-2397
設立
1963年
確認日
2019.04.15

記事一覧

おすすめ記事

メールマガジン登録
メールマガジン登録
ビジネス香川Facebookページ