「予定通り実施すべき」は5割

2019年度消費増税に関するアンケート調査 東京商工リサーチ

Research

2019.08.01

今年10月に実施予定の消費増税について、「予定通り実施すべき」は全体の51.4%(7,762社中3,987社)と半数にとどまり賛否が分かれた。
※本調査は19年6月14日~20日にインターネットで企業にアンケートを実施、有効回答7,762社を集計・分析。資本金1億円以上を「大企業」、1億円未満(個人企業等を含む)を「中小企業」と定義した。

Q1.増税の賛否について

回答企業7,762社のうち、「予定通り実施すべき」は51.4%だった。18年9月実施の調査では47.0%で、4.4ポイントアップした。「時期を延期して実施すべき」は20.5%、「増税を中止すべき」は24.0%。10月に実施すべきでないとする回答は合計44.5%で、実施と中止・先送りがほぼ拮抗している。

Q2.消費増税で景気は?

景気への影響は、「良くなる」が0.7%に対し、「悪くなる」は65.0%で、景気への悪影響を懸念していることがわかった。「現状維持」は34.3%だった。

Q3.貴社への影響は?

自社への影響は、「どちらともいえない・わからない」が59.7%で最多。次いで「マイナスの影響がある」が38.4%、「プラスの影響がある」は1.8%にとどまった。

Q4.「マイナス」の理由は?

Q3で「マイナスの影響がある」と回答した2,984社のうち、2,963社が回答。最多は、「増税後の売上(受注)減少」が81.6%で、8割以上の企業が売上減少を懸念している。次いで、「仕入れ先からの値上げ要請」が36.1%、「会計・経理システム変更に伴う費用負担増」が33.4%と続く。「その他」では、「増税に伴う実質賃金の落ち込みが社員の士気の低下、生産性の低下を招く」や「軽減税率による事務負担の増加」などの回答があった。

消費増税で「景気が悪くなる」と回答した企業は65.0%と半数を超え、先行きを不安視する声は多い。政府が増税に伴う景気への悪影響を緩和するため予定している「キャッシュレス決済時のポイント還元」や「プレミアム商品券の発行」、「軽減税率の実施」などは、いずれの施策も効果は「わからない」が8割に達した。政府が推し進める施策は、企業の消費増税への不安を取り除く決定打にはなっていないようだ。

13年3月の金融円滑化法終了後も、金融機関は企業の資金繰りを支援し倒産件数は10年連続で前年度を下回っている。ただ、地方銀行を中心に、貸倒引当金を積み増す金融機関は増えるなど、企業倒産の潮目は水面下で変わりつつある。

東京商工リサーチ 四国地区本部長兼高松支社長 立花 正伸 

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