統計に表れにくい春野菜

野菜ソムリエ上級プロ 末原 俊幸

column

2020.04.02

香川県を代表する春野菜は「アスパラガス」ですが、エンドウ豆の存在も忘れてはなりません。一口にエンドウ豆と言っても、実はいろいろな種類があり、莢(さや)を食べる「サヤエンドウ(きぬさや)」、莢の中の実を食べる「実エンドウ」、そして莢と実の両方を食べる「スナップエンドウ」があります。また、地域によっても、いろいろな品種や呼び名があるため分かりにくく、実エンドウをサヤエンドウと間違って料理してしまい、筋ばかりだったという経験をした方もいらっしゃるかもしれません。

春野菜は、他の季節の野菜と比べて、出荷期間も非常に短く、あっという間に店頭から姿を消します。中でも地域性の強い野菜は、米の裏作として栽培されているなど、大産地でもない限り、統計が困難です。実際、2016年の統計を例にとると、農林水産省が取りまとめている「地域特産野菜生産状況調査」では、香川県のスナップエンドウ生産量は4㌧なのですが、同年の高松市中央卸売市場で取引された「その他エンドウ(スナップエンドウなど)」は6.5㌧となっています。

しかしながら、春の野菜は確実に存在し、農村部のさえんじ(農家の家庭菜園)には、エンドウ豆が見られるようになり、店頭にも「香川県産エンドウマメ」が数多く並びます。

香川県産のエンドウ豆の特徴は、4月中旬に男木島・女木島産の豆が、他の産地に先駆けて出荷されること。今年は、冬が暖かかったので、ちょうど、この紙面が発行されるころ、初出荷された男木島・女木島産エンドウ豆が市井に出回り始めるでしょうね。

野菜ソムリエ 上級プロ 末原 俊幸さん

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