

「暮らしの森」は、工務店の倉庫を活用した
コミュニケーションスペース
22歳で結婚。子育ての合間に洋裁の技術を生かして、雑貨作りを始めた。幼稚園バッグや子どもの服を作ってほしいと、近所でも人気になったという。2006年、家の新築を機に、雑貨店を併設して開店することに。自分で作ったものだけでなく、古物や仕入れた商品も販売。パン好きが高じ、全国のパン屋から仕入れて、パンやベーグルの販売会も始めた。四国各地の雑貨店や飲食店を誘ってイベント開催など、企画・プロデュースもするようになった。
お店が手狭になり物件を探していた時に、地元の金丸工務店の倉庫と出合う。店舗として入居するだけでなく、全体のプロデュースを任された。金丸工務店が大切にしている「木」と、島崎さんが提案したい「暮らし」を合わせて、2015年に「暮らしの森」が誕生。島崎さんのお店だけでなくカフェや料理教室、ギャラリーなどもある、地域住民がコミュニケーションできる場になった。雑貨店のパン部門は独立させ、16年にベーグル専門店「暮らしのパン 日々」を開店した。
「これだけものがあふれる社会で、お客さんは買うだけ、食べるだけではもう満足しない。心の豊かさや学ぶことを求めていると思います」。暮らしの森では、ヨガやハーブなどのカルチャー教室を定期的に開催している。「学ぶことを中心に、人と時間や場所を共有して心の『引き出し』を増やす。地域や社会の一員なんだと感じられたら、人はやりがいを持てるのでは」

「暮らしのパン 日々」で製造・販売するベーグル。
暮らしの森でも一部を販売。
今考えているのは、DIYが得意な人のための大工教室。本職と同じことができなくても、床張りなどの作業を手伝えるようになることで、まちに「小さな大工さん」を増やしていく。それぞれの仕事や働き方の幅が広がる可能性があるし、災害時に力になれる人材が育つことを期待している。
「自分のしていることが、まちの元気に繋がったり、誰かの励みになったらうれしい。仕事は暮らし、暮らしは仕事。そんな生き方を提案していけたら。三豊だけでなく他地域にも足を運んで、新しいコミュニティの形を伝えていきたい」
鎌田 佳子
島崎 ふみ子|しまざき ふみこ
- 略歴
- 1976年 三豊市生まれ
1994年 坂出第一高校 卒業
2006年 雑貨店オープン
2015年 「暮らしの森」プロデュース
2016年 ベーグル専門店「暮らしのパン 日々」オープン
2019年 株式会社 暮らすこと 設立
株式会社 暮らすこと
- 住所
- 香川県三豊市豊中町本山乙21‐1
- 事業内容
- 雑貨店・ベーグル店の運営、イベントの企画・プロデュース
- 地図
- URL
- https://www.kurasucoto-official.jp
- 確認日
- 2020.04.27
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