グラノーラで地元の魅力を発信

株式会社木村水産 代表取締役 木村 好宏さん

Interview

2017.11.16

さぬき市の津田にある木村水産が、水産加工業に加え「グラノーラ」の製造・販売を始めたのは5年前。現在は、グラノーラを中心とした菓子製造業に絞り「瀬戸内グラノーラファクトリー」というブランドで事業を行っている。全く違う分野への挑戦に「本当に商品になるのか」という不安の方が大きかったと木村好宏さん(46)は振り返る。
現在、グラノーラはメイプル、ココナッツ、 バナナ、パンプキン、ジンジャーの5種類。 130g650~700円(税込)

現在、グラノーラはメイプル、ココナッツ、
バナナ、パンプキン、ジンジャーの5種類。
130g650~700円(税込)

グラノーラは、麦や玄米といった穀類にはちみつなどを加えてオーブンで焼いたもので、ナッツ類やドライフルーツを加える場合もある。食物繊維やミネラルが豊富で、健康ブームを背景に人気が高まっている。製造のきっかけは、妻の加代子さん(39)が子どものおやつとして作り始めたこと。看護師として糖尿病などの患者さんと接する中で、食べ物で健康のために何かできないかとずっと思っていた。結婚後に退職、出産を機にますます食に興味がわき、作り始めたグラノーラが友人たちの間で評判に。加代子さんの影響で好宏さんの意識も変わり、天然塩、未精白の穀類や砂糖と、材料選びからこだわるようになった。家庭用オーブンで何度も試作し、少しずつ販売数を増やしていった。

木村水産のグラノーラは、牛乳やヨーグルトをかけて食べる一般的なものより大きめに仕上げているのが特徴だ。「子どもが手でつまんで食べられるようにしたかった。それと、丁寧に手作りしたやさしい味を、まずは何もかけずにそのまま味わってほしいという思いもありました」
夏に開いた浜カフェ

夏に開いた浜カフェ

工場の目の前は美しい砂浜が広がる海。子どもの頃からここで育った好宏さんには当たり前の風景だが、グラノーラを買いに来たお客さんの多くが「いい景色だ」と感動してくれた。そこで、朝日が昇る海を見ながらグラノーラやモーニングを食べてもらおうと、今年5月から夏の間だけ毎週日曜にカフェを開いた。「早朝から来てくれるお客さんたちの笑顔を見て、自分が生まれた津田の魅力に改めて気づき、それを多くの人に知ってほしいと思うようになりました」

3年前からは、県内外で開催される食品展示会や商談会に積極的に参加している。商品の販売先を広げるためでもあるが、グラノーラをきっかけに津田に来てくれる人を増やしたいという思いもある。「そのためには、他のグラノーラにはない特徴を追求して商品力をつけなければいけない。これからは、香川の果物や水産物など、もっと地元の素材を使った商品を開発していきたいですね」(石川恭子)

木村 好宏 | きむら よしひろ

1971年 大川郡津田町生まれ(現さぬき市)
1990年 三本松高校 卒業
1994年 岡山大学 卒業
1999年 木村水産 入社
写真
木村 好宏 | きむら よしひろ

木村水産ハッピーフード事業部

所在地
さぬき市津田町津田1333-1
TEL.0879・42・1333
事業概要
グラノーラを中心とした菓子製造
資本金
1000万円
売上
3000万円
従業員
2人
認定
地域資源活用事業計画認定
地図
確認日
2018.01.04

記事一覧

おすすめ記事

メールマガジン登録
メールマガジン登録
ビジネス香川Facebookページ