「失業なき労働移動」を目指す

産業雇用安定センター香川事務所

Interview

2021.02.18

左より 栗 和代さん、川田寛二さん、白川良明さん

左より 栗 和代さん、川田寛二さん、白川良明さん

会社都合により離職する労働者が、離職後にできるだけブランクがない「失業なき労働移動」を目指して、出向・移籍を支援する専門機関として設立された。求職者本人が直接相談に訪れるハローワークに対し、産業雇用安定センターは「倒産で雇用を維持できない」「事業縮小により今後、余剰人員が出る」など、企業から相談があった案件に対して求職者の支援を行うのが特徴だ。

企業からの相談を受け、求職者に対してコンサルタントがカウンセリング。希望を聞きながら、人材受け入れ企業の情報を提供。応募書類作成や面接のアドバイスも行う。

拠点は各県に1カ所ずつ。設立当時は、円高不況により鉄鋼造船業が大きな痛手を受け、多くの失業者がうまれることが懸念されていた。それを防ぐため、国と経済団体が連携して同センターを設立。自動車業界をはじめとした他の産業への労働力のマッチングを進め、雇用維持に努めた。

時代の変化は相談件数に表れる。「全国的にみると少し前はリーマンショック、今はコロナ禍で相談が増えています」と川田寛二所長。特にここ1年は小売サービス業、観光関連企業からの相談が多いという。

求職者のマッチングには、現在の会社に在籍しながら別の企業で働く在籍出向型、別の企業に移る移籍型があるが、「コロナ禍で一時的に雇用過剰となった企業が、人手不足の企業との間で『雇用シェア』をする在籍型出向が注目されています」

全国的な傾向に比べると、香川は有効求人倍率が高く、倒産件数も少ない。「近年たまたま大きな災害がなく災害復旧の設備投資をしていない分、企業に体力があったのではないか、といった理由も考えられますが、あくまで現時点での話です」。これまで何とか頑張っている企業も、コロナ禍が長引けば息切れしてしまうのでは、と懸念している。そのため、まずは同センターを知ってもらうこと。「相談からマッチング成立まで無料で、1人からでも離職者の相談を受け付けていますので、中小企業の経営者もぜひ利用してほしい」

今後は、コロナ影響下での雇用支援と同時に、60歳~70歳の就業を支援する「キャリア人材バンク」にも力をいれていきたいという。

産業雇用安定センター香川事務所

住所
香川県高松市常磐町1-3-1瓦町FLAG9階
代表電話番号
087-802-6355
設立
1987
事業内容
再就職・出向支援、キャリア人材バンクなど
確認日
2021.02.18

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