「らしさ」が光る 菓子作り

菓匠芝山 専務 鈴木 晴雄さん

Interview

2016.10.20

左から鈴木盛之さん、晴雄さん、康成さん

左から鈴木盛之さん、晴雄さん、康成さん

創業から約60年。菓匠芝山の店頭には和菓子を中心に50種類ほどの商品が並ぶ。祖父、父に続く3代目の鈴木晴雄さん(25)は、子どもの頃「遠足のおやつにうちの商品を持って行きたかった」と言うぐらい芝山のお菓子が好きだ。好きだからこそ自然と、店を継ぎたいと思えた。

高校卒業から2年半、京都の老舗和菓子店で修業した後、芝山に入社。入社から1年は、月に1回程度島根県の菓子技術専門学校に通って技術を磨いた。
「しまのかおり」。左からオリーブ抹茶、いりこ味噌、醤油豆

「しまのかおり」。左からオリーブ抹茶、いりこ味噌、醤油豆

日々の仕事は「地味な作業」と話す晴雄さん。正確に計量し手順を守り黙々と作る。新しいお菓子のアイデアを練っている時間が楽しい。芝山らしさを崩さずに新しいものを作りたい。できる限り価格は抑えておやつとして気軽に食べてもらいたいとの思いもある。
「瀬戸内クリーム大福」は地域資源活用の 認定事業により開発された逸品

「瀬戸内クリーム大福」は地域資源活用の
認定事業により開発された逸品

「大ヒット商品と呼べるものはなくても、全商品が主力。昔ながらのものがあって、それもうちらしさかもしれません」。材料は国産、県産にこだわる。高松市内で洋菓子店を営む叔父の影響もあり、洋菓子の要素を取り入れた和菓子作りにも挑戦する。

晴雄さんのアイデアから生まれた初めての商品が「しまのかおり」だ。最中の皮に県産米粉で作ったサブレを詰めた。3種のサブレはオリーブ抹茶、いりこ味噌、醤油豆と、香川の特産品を使っている。

最中サブレに続き商品化したのが、今年完成した「瀬戸内クリーム大福」。瀬戸内ゆかりのオリーブ、レモン、イチゴ、桑茶、藻塩の5種類を展開している。オリーブ葉の粉末を混ぜた餡は、渋みのバランスを取るのに苦労しながらもさっぱりとした甘さに仕上げた。
お客さんは30代より上の人が多い。晴雄さんは同年代の人にもっと来てもらえるよう、マルシェやお祭りなどイベントでの実演販売や出店、SNSでの情報発信を積極的に行う。

今年は初めてライブハウスでの実演販売を試みている。友人を通じて知り合ったライブハウス「高松MONSTER」の店長に、熊本地震のチャリティーイベントにぜひ参加したいと掛け合った。それをきっかけに、3回ほど出店した。ライブの舞台転換時に生菓子の実演販売を行う。
3代そろって作業することも。技術は見て覚えた

3代そろって作業することも。技術は見て覚えた

祖父の盛之さんは80歳を超えた今も、休むと腕が鈍ると言って毎日店に立つ。父の康成さんは出来立てを食べてもらいたいとお菓子教室を始めた。「祖父や父とはまた違ったやり方や、僕の好きなジャンルで和菓子を広めたい」

副編集長 鎌田 佳子

鈴木 晴雄 | すずき はるお

1991年5月 高松市生まれ
2009年3月 高松工芸高校 卒業
2009年4月 京都の塩芳軒で修業開始
2011年9月 菓匠芝山 入社
写真
鈴木 晴雄 | すずき はるお

有限会社菓匠芝山

住所
高松市香西北町46-2
TEL:087-881-2256
事業の概要
菓子製造・販売
認定
四国経済産業局
「平成27年度地域資源活用事業」認定
地図
URL
http://www.sanukiwagashi.com/wagashi/
確認日
2018.01.04

記事一覧

おすすめ記事

メールマガジン登録
メールマガジン登録
ビジネス香川Facebookページ