情報力とネットワークで地域の産業を支えたい

中国銀行執行役員四国地区本部長 山﨑晋弥さん

Interview

2022.01.06

就活の時、中国銀行の採用担当者が話していた仕事への向き合い方、自分の人生をどう考えるか、という話が心に響き、すでに内定が決まっていた企業ではなく、中国銀行に入社した。金融業界を志望していなかったため、入社当初は知識もなく不安だったが「迷惑をかけたくない一心で、がむしゃらに仕事を覚えようとしていました」

顧客と少しずつ信頼関係を築いていく中で、ある取引先の社長の「いい銀行員を見つけておけば、会社にとって大きなプラスになる」という言葉が印象に残っている。銀行は会社の財務分野の業務に関係することが多いが、それだけで経営が成り立つわけではない。人事、法務、組織づくり、販路開拓……それらに関する専門家、例えば弁護士、税理士、不動産業者や、販売先などが必要になったとき、つないでくれるのが銀行員の役割だと言われた。

「あらゆる産業とのネットワークと情報、という銀行の力を実感しましたし、さまざまな分野の知識をもつことが、お客様に信頼されるためには必要だと再認識しました」。資格試験の勉強に対する意識も変わったという。

新たな産業の芽を

フォーラムで挨拶

フォーラムで挨拶

地域の活性化がなければ、地銀は立ち行かない。地域の成長のために何ができるかという視点が必要だと考えている。

今、地域の企業が抱える課題で多いのは後継者問題だ。以前は、子どもや親族に譲るものという考え方が強かったが、現在は従業員へのMBO、第三者へのM&Aなどの選択肢もあり、サポート範囲が広がっている。「一つの企業が廃業すると、従業員とその家族の生活が脅かされ、技術やノウハウも失われる。地域にとって何もいいことはない。地域の経済を守るためにも、銀行としてやるべきことは多い」

現状を支えるだけではなく、新たな産業創出にも力を入れている。科学、医療、ものづくりなど異分野の専門家が集まり、次世代の産業の可能性を探るフォーラムも実施、地銀として何ができるかディスカッションした。「観光」や「移住・定住」で、地域に人が集まる仕組みづくりにも取り組みたいという。「香川は、創業意欲が高いと感じています。変わらなければならないと思い、行動している。香川で生まれた産業の芽が、世界に羽ばたくサポートができれば」
ソフトテニスの試合で

ソフトテニスの試合で

リフレッシュ方法は、中学から大学まで続けてきたソフトテニス。大学の時は、神奈川の大会で3位になったこともある。就職後はずっと練習できていなかったが、3年ほど前に同期のソフトテニス経験者とダブルスを組み、毎週4時間ほど練習に汗を流すように。「11月の岡山県総社市の大会では優勝しました」

いい銀行員とは

愛されることと頼られること、これを両立できるのが、いい銀行マンだと考えている。「知識があるだけでは頼られる存在にならない。人間性も大事です」

現在、四国地区・阪神地区本部長として心がけているのが、“クイックレスポンス”。相手のニーズに素早く応えて信頼してもらう。計画から実行、改善までのサイクルを何度もまわしてよりよいものを生み出していく。「異分野、時には公的機関ともつながりながら、新たな化学反応を地域に起こしていきたいと思います」

山﨑 晋弥 | やまさき しんや

略歴
1967年 倉敷市生まれ
1990年 横浜国立大学経営学部 卒業
    中国銀行 入行(玉島支店)
営業店3カ店、本部2部を歴任後
2011年 千年支店 支店長
2013年 広島西支店 支店長
2015年 倉敷駅前支店 支店長
2017年 西大寺支店長
2021年 執行役員四国地区本部長兼阪神地区本部長

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