原点を忘れず、地域に寄り添う店づくり

イソザキ 専務取締役 磯崎 祐司さん

Interview

2022.03.17

イソザキ丸亀店で

イソザキ丸亀店で

イソザキは、1955年に磯崎祐司さんの祖父が満濃町で創業。職人でもあった祖父が家具をつくり祖母も店頭に立つという、地域に根付いた家具店として愛されてきた。現在は本社(まんのう町)のほか、丸亀店、高松店を展開。磯崎さんは叔父である社長のもと、専務として高松店を中心に現場で指揮を執る。

3店舗は、若い世代から60代以上まで各年代に対応できるよう店づくりに違いを出し、同じ価格帯の商品をたくさん置かずに厳選するなど、限られたスペースで多様なニーズに応えられるよう工夫を凝らす。気軽に店に来てもらおうと、雑貨の品ぞろえも充実させている。

量販店やネット販売など、競合も多いが「小回りの利いたサービスが差別化につながると考えています」。商品さえあれば、購入した当日に配送するほか、イソザキ以外で購入した商品も、できるだけ修理に対応している。
自宅のダイニングキッチン

自宅のダイニングキッチン

「家具は頻繁に買い替えるものではないし、基本的に“待ち”の商売。でもそれだけではいけないと考えていました」。そんな時、自身がマイホームをもったことが、新たなビジネスのきっかけになる。

住宅メーカーの担当者とのつながりから、そのメーカーで家を建てた人にイソザキの家具30万円分をプレゼントする企画を実施。さらに、モデルハウスにイソザキの家具をコーディネートして配置、チラシも設置する。ほかの住宅メーカーにも企画を提案し、現在は5社と取り組みを進めている。

「イソザキを知ってもらう機会を増やすことができた。企画をきっかけに、仕入れの際に各住宅メーカーの顧客をイメージした商品も考慮するようになり、店舗の品ぞろえの幅も広がりました」。今後は、SNSでの情報発信にもより力を入れたいという。
丸亀店の店内

丸亀店の店内

忘れられない出来事がある。ダイニングテーブルを購入した家族のもとに商品を配達しに行った。新しい商品と引き換えに古い家具を引き取ろうすると、テーブルの上に子どもが描いたイラストと「ありがとう」の文字があった。「お子さんが『今までありがとうね』と言いながらテーブルをなでているのを見ると胸が熱くなって泣きそうになりました」。

ある時は、小学校に入学する子どもが「僕の机がきた!」と喜んで、組み立てている間ずっと見ていたこともある。

「家具は食べ物のように絶対必要なものではないかもしれない。ただ、日々の暮らしを心地よくしてくれるもの、楽しさを提供できるものだと思います」。お客さん一人ひとりの顔が見える接客を心掛け、それぞれの心地よい暮らしとはどういうものかと思いをはせる。「今後新たな事業を展開したとしても、創業当時の原点を忘れないようにしたい。地域密着、一人ひとりに寄り添ったお店づくりを続けていきたいですね」

石川恭子

磯崎 祐司 | いそざき ゆうじ

略歴
1983年 仲多度郡満濃町(現・まんのう町)生まれ
2001年 善通寺第一高校 卒業
2005年 大阪経済大学 卒業
2006年 イソザキ入社
2009年 専務取締役

株式会社イソザキ

住所
仲多度郡まんのう町四條748-4
代表電話番号
0877-73-2626
事業内容
高松店=高松市亀田町1-1
TEL 087-840-7500
丸亀店=丸亀市山北町字原窪23番地
TEL 0877-85-3003
家具、雑貨、インテリア等の販売ほか
確認日
2022.03.17

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