家具から始まる理想の暮らし

コンフォートクワハラ 代表 桑原 一隆さん

Interview

2015.07.02

香川県が全国1位と言うと、何を思い浮かべるだろうか。総務省の「平成21年全国消費実態調査」によれば、ソファやテーブルなどの応接セット普及率が34.5%で全国1位とのことだ。コンフォートクワハラのパンフレットには「ソファが身近なエリアだからこそ選び方のコツを知っておこう」とある。

「お客様が後悔しないよう、他店と比べて決めてくださいと提案することもあります」。家具を販売するコンフォートクワハラの代表を務めるのは、桑原一隆さん(38)だ。

ソファやダイニングセット、ベッドなど受注生産の国産家具を中心に取り扱う。「国産家具は表面から見えない中の構造がしっかり作られていて、耐久性が抜群。ごまかしのない商品なので自信を持ってお薦め出来ます」

実用的な家具で手頃な価格であることも大切にしている。「高級家具ばかり展示したギャラリーのような店では、お客様に喜んでもらえないと思います」。店舗の大型化は今のところ構想にない。「商品数を増やしても、お客様の満足度が上がるとは限りませんから」

電話一本で駆け付けて家具のケアをする。そんな"まちの家具屋"でありたいと言う。おばあちゃんのために椅子の高さを調整してほしい、納品時に既存家具の配置移動をしてほしい。今までに対応してきたお客さんの要望だ。サービスの細やかさが強みとなっている。
桑原さんは昨年、14年間勤めた広告代理店を退社し家業を継いだ。様々な職種の人と出会いたいと、大学卒業後は会社員の道を選んだ。しばらくすると住宅展示場の運営担当となり、家具の販売をしている家業との縁を少なからず感じた。

転職のタイミングをずっと考えていたが、37歳になったことが背中を押した。父の善隆さんが家具製造メーカーを辞めて、地元の香川で桑原家具店を創業したのが37歳の時だったからだ。

父に申し出ると最初は反対された。苦労を経験してきたからか「本当に自分の好きなことをやればいい」と言われた。跡を継ぎたい、これが自分の好きなことなんだと伝えて説得した。

経営方針で父と意見が対立することはない。流行だからと商品構成や方針を変えるのは危険、時代の流れはすぐに変わるので数年先を見据えて即決はしない。そんな父のやり方を尊重している。

2008年、桑原家具店はコンフォートクワハラにリニューアルした。心地よい(コンフォート)家具にこだわるとの思いを込めた店名にし、外観や展示の仕方も変えた。「良いものをそろえていても、多くの人に見て体感してもらえなければもったいない」。まだ会社勤めをしていた桑原さんのアイデアを、父はすんなりと受け入れてくれた。

転職から約1年半。今、不安な気持ちはない。むしろ新しい挑戦にわくわくしている。部屋に合わせた家具選びではなく、家具に合わせた空間づくりがしたい。「こういう家具に囲まれて生活したいというイメージから、部屋づくりをするような事業が展開出来れば。新規開店するお店のトータルプロデュースも手掛けてみたいですね」

良い家具に出合うことと、その家具に触れる時間を大切にしてほしいと言う。「気に入った家具があれば、コーヒー1杯を飲むほんのひとときでもリラックス出来る。それが暮らしを楽しむことにつながるのでは」

ショールームにいると、なぜだか楽しい気持ちになってくる。家具から始まる心地よい暮らし。その風景が眼前に広がるように想像出来るからかもしれない。

桑原 一隆 | くわはら かずたか

1976年7月 大阪府東大阪市生まれ
1999年3月 甲南大学経営理学科 卒業
1999年8月 西日本放送サービス株式会社 入社
2014年2月 コンフォートクワハラ 入社
2015年4月 代表就任
写真
桑原 一隆 | くわはら かずたか

コンフォートクワハラ

所在地
高松市円座町1119
TEL
087-886-8154
事業の概要
家具・照明器具・装飾品・カーテン・カーペットの販売、
空間演出 など
確認日
2018.01.04

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