オリジナルブランド「流川香」は香川流

岩佐佛喜堂 本店営業部長 岩佐 一史さん

Interview

2015.03.19

「子どもの時は朝晩、念珠を持って仏前に座るのが日課でした」と話す、岩佐佛喜堂の5代目・岩佐一史さん(28)。兄弟3人、父と一緒に毎日だ。「その経験がずっと残っているんでしょうね。みんな仲がいいんですよ」。幼い頃から家業を継ぐ気持ちでいた。

大学卒業後、仏具の問屋での勤務を経験して岩佐佛喜堂に入社。問屋で働いていた時、夢中になったのはお香の勉強だ。知れば知るほどその魅力にどんどんはまっていった。「原料の白檀や沈香といった香木には、心が落ち着く作用があると言われています。奥が深いんです。4月18日は『お香の日』。偶然にも私の誕生日で、縁を感じていますね」

線香を仏前に供える意味は宗派によって異なるが、一般的には線香の煙が立ち上って消えると浄土に届くと言われているそう。「煙に供養の気持ちを乗せて仏に届けるんです。お香は大切な人に感謝を伝えるために必要なものだと思っています」

そんなお香に注目してもらいたいと、オリジナルブランドを立ち上げた。部屋で楽しむお香から、仏壇に供える線香に興味を持ってもらう。そして仏前で拝むという習慣を守っていきたいと考えている。「家に仏壇があれば先祖に感謝する気持ちが芽生え、命の尊さを感じるきっかけにもなるのでは」
岩佐佛喜堂はこれまでも線香を販売していたが、オリジナル商品を売り出すのは初めて。ブランド名は「流川香」だ。反対から読むと、香川流になる。「香川から新しいお香を発信したいという気持ちを込めて名付けました。『香川』の地名はお香に由来するとの説もありますから」

最初に誕生した「車香(しゃこう)」は車内で楽しめる電子香炉。シガーソケットに差し込んでタブレット状のお香を熱するもので、火を使わず煙が出ない。タブレットは「錦秋」と「梅」の2種類。親しみやすい香りだ。「車でお香を楽しむという文化をつくりたくて考えました」

ブランド名を冠した「流川香」は、白い煙が雲のようにも水のようにも見える。特殊な製法で作られており、煙が下に流れるようになっている。仕組みは企業秘密だ。黒い器に白い煙が映え、さながら動く水墨画といったところ。

灰が「落ちない」ことから、受験生にぴったりとメディアで紹介され、ヒットしているのが「智慧(ちえ)の和香(わこう)」。燃えたところから、知恵の輪のようにくるくると巻いていくため、灰が最後まで落ちず散らばらない。質の良い香木を数種類混ぜ合わせることで完成した。「場所を選ばず使えます。勉強中にも和の香りでリラックスしてもらえたら」

見ても楽しいお香は天然の香料を使い、原料にもこだわっている。岩佐さんのアイデアはまだまだ尽きない。子授け・安産祈願で知られる四国霊場第76番札所の金倉寺とコラボレーション。出産を控えた女性へのプレゼントとしてザクロのお香を開発中で、5月頃店頭に並ぶ予定だ。

「和のお香をもっと多くの人に知ってもらいたい。香川から日本中に広めて、いずれは世界にも。オリーブなど香川の木を使ったものも開発したいですね」

商品開発に取り組んでいると、「仏縁」とでも言うような巡り合わせや縁を感じることがある。「自分の力だけでは何もできません。偶然とは思えない人との出会いや助けがあって、実現できました」。いつも「おかげさま」を忘れない。穏やかで丁寧な語り口には、そんな感謝の気持ちがにじんでいた。

岩佐 一史 | いわさ かずし

1986年4月18日 高松市生まれ
2009年3月 龍谷大学 卒業
2009年4月 株式会社こもりコーポレーション 入社
2011年4月 株式会社岩佐佛喜堂 入社
2014年3月 本店営業部長 就任
写真
岩佐 一史 | いわさ かずし

株式会社岩佐佛喜堂

所在地
高松市丸亀町10-3
TEL
087-851-1033
事業の概要
仏壇、仏具の小売り・御線香の製造
資本金
1000万円
社員数
23人
URL
http://www.buddha.co.jp/
確認日
2018.01.04

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